出版社内容情報
家族との思い出、引き揚げの記憶、水俣病闘争、新日本文学から戦後思想史まで――思想史家・渡辺京二が自身の昭和を語る回想記。
渡辺 京二[ワタナベ キョウジ]
1930年、京都生まれ。大連一中、旧制第五高等学校文科を経て、法政大学社会学部卒業。評論家。河合文化教育研究所主任研究員。熊本市在住。主な著書に、『北一輝』(ちくま学芸文庫)、『黒船前夜』(洋泉社)、『幻影の明治』『父母の記』(いずれも平凡社)などがある。
内容説明
いま甦る愛しき母の言葉に誘われ、話は少年時の思い出、大連からの引き揚げの記憶、共産党時代を経て、新日本文学、そして戦後思想へとつづく。思想家・渡辺京二が半生を振り返るとき、そこにもうひとつの昭和史が立ち上がる。
目次
父母の記
ひとと逢う
吉本隆明さんのこと
橋川文三さんのこと
佐藤先生のこと
熱田猛の思い出
著者等紹介
渡辺京二[ワタナベキョウジ]
1930年京都生まれ。大連一中、旧制第五高等学校文科を経て、法政大学社会学部卒業。評論家。河合文化教育研究所主任研究員。主な著書に『北一輝』(毎日出版文化賞受賞、ちくま学芸文庫)、『逝きし世の面影』(和辻哲郎文化賞受賞、平凡社ライブラリー)、『黒船前夜』(大佛次郎賞受賞、洋泉社)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゴロチビ
2
「幻のえにし」からの流れで読む。読みながら、センセイのご家族の私的記憶を読むことにどんな意味がある?と自問することもあったが、結局「自分はやっぱりこの人好きだなぁ」と再確認できて、それで充分だと思えた。後半は知人への追悼や本の解説等。追悼なのに褒めて無くね?大丈夫?と心配になったりしたが、そういう所も全て含めて依頼者は分かっていてお願いするのだろうし、聴いてる人達も皆んなセンセイの人となりを愛してらっしゃるのだと思う。吉本隆明の宮澤賢治評、知らなかった。「宮澤賢治の世界」読んでみたいけど手に負えるかなぁ。2024/02/16
こっこ
2
★★★☆☆ 学生の頃、『北一輝』や『日本コミューン主義の系譜』を読んで以来三十年ぶりに氏の著作を読んだ。氏も八十の齢を超え、文章も肩肘を張らない枯れた文章になったかと思いきや、まだまだギラギラした情念?を感じさせる文体であった。吉本氏や橋川氏について書かれた章を読みたくて購入したので、その他の(父母を含む無名の)人物についての回想録は正直退屈ではあったが、渡辺氏の来歴を知りたい向きには好著なのかもしれない。2017/11/25
陽之理
2
作者の履歴を知ることができる。戦中、戦後の当時の雰囲気もわかる。「人は育って結婚して子を育てて死ぬだけでよいのだ、そういう普通で平凡な存在がすべての価値の基準なのだ」(吉本隆明)2017/11/25