翻訳技法実践論―『星の王子さま』をどう訳したか

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  • サイズ B6判/ページ数 317p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784582837285
  • NDC分類 801.7
  • Cコード C0080

出版社内容情報

不特定多数を読者とする「出版訳」の特殊性を唱え、学校で習ういわゆる「講読訳」と対置、その技術と方法を実践的に説く。

稲垣 直樹[イナガキ ナオキ]

内容説明

不特定多数の読者を想定する「出版訳」。それは学校で親しんだ「講読訳」とは根本的に異なる。したがって、いくら「講読訳」に習熟しても「出版訳」にはほとんど役立たない。この衝撃的でありながらも、じつはよく囁かれる事実をまえに、長年教壇に立つ外国文学研究者として処方箋を伝授。翻訳談義めかした韜晦とは無縁の具体的な技術論。翻訳の美徳と快楽は自虐的なまでの無私の徹底。その域に至るために必要な方法と技術とは何か。

目次

第1章 実践のための翻訳理論
第2章 『細雪』『雪国』の英仏訳に見る翻訳の実践
第3章 準備段階でなすべきこと
第4章 翻訳技法を詳解する
第5章 『星の王子さま』翻訳実践1―献辞「レオン・ヴェルトに」
第6章 『星の王子さま』翻訳実践2―第1章「六歳のころ」
第7章 『星の王子さま』翻訳実践3―第21章「なじみになる」
第8章 『星の王子さま』翻訳実践4―第21章「大切なものは目には見えない」
第9章 『星の王子さま』翻訳実践5―第26章「(王子さまは)すうっと倒れたのです」

著者等紹介

稲垣直樹[イナガキナオキ]
1951年、愛知県生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得退学。パリ大学にて文学博士号取得。日本翻訳家協会より日本翻訳文化賞受賞。現在、京都大学大学院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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マカロニ マカロン

5
個人の感想です:A-。著者は仏文学者、ユゴー、サンテグジュペリが得意分野。翻訳には講読薬と出版訳があり、2005年の翻訳独占権切れ以降数多出版された新訳の中には講読訳で楽しめないものが含まれるとして、原典の意味を最大限追及する「ゼロ度の比較第三項」を目指すべきと主張。仏語は抽象化する「コンソメ文化」、日本語は具体化する「刺身文化」だとして、仏文、英文、著者の訳を並べて、その訳文に行きつく過程を丁寧に解説してくれる。翻訳家の言葉の選び方の見事さに感服。著者の訳文は確かにわかりやすく、話をより楽しく読める。2020/10/14

Kate3

2
読み進める途中で参考になる箇所もあれば、私が現在求める内容と一致しない記述もあった。 備忘録として、時期が来たら再読したい。2020/06/04

nranjen

0
先日届いてすぐ読みました。素晴らしい。ありがたい。また読みます。トレーニングだと思って何度か読みます。2016/07/26

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