出版社内容情報
芥川賞作家大庭みな子の世界を、ジェンダー学の水田宗子が「戦後」「アラスカ体験」「男女の共生」など、さまざまな観点からひもとく評論集。書評、講演、大庭との対談も収録。
内容説明
ヒロシマから70年―それはポスト・メモリー(記憶以後)の時代。人は他者のトラウマの記憶を自己探求につなぎ、生き延びることができるか。現代文明の痛点を描き続けた大庭みな子の啓示的かつ豊饒な世界を読み解き、文学の可能性の極限を問う、画期的評論集!
目次
評論(沈黙―女性表現の深層;霧と森の世界―大庭みな子における物語の原型;生の原初の風景への帰還―大庭みな子の小説の世界;共生と循環―大庭みな子における“森の世界”の変容;「漂う」感覚;原初の生と物語の根源へ;大庭みな子の物語の変貌;記憶の文学(1)大庭みな子の物語世界の構造―欲望と孤独
記憶の文学(2)『浦島草』―トラウマとしての記憶と回復つぃての記憶の文学
記憶の文学(3)『夢野』―生き残る欲望から生き延びる夢へ
記憶の文学(4)『啼く鳥の』―「記憶のサガ」の完成
記憶の文学(5)記憶の文学の円環構造―『七里湖』:終わりのない始まり)
対談(×大庭みな子)(やわらかいフェミニズムへ;女性表現の深層から;女の文学・男の文学;“山姥”なるものをめぐって)
著者等紹介
水田宗子[ミズタノリコ]
1937年東京都生まれ。東京女子大学、イェール大学大学院卒業。比較文学、女性学専攻。現在、学校法人城西大学理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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