出版社内容情報
縄文時代の各時期を代表する土器・土偶の優品六〇〇点を美しいオールカラー写真で紹介する最新の縄文図鑑。専門家による簡潔な解説と、出土遺跡・収蔵先リスト付き。
目次
1 縄文人―土器を焼き、使いはじめた人々
2 採り、狩り、漁る日々―土器と石器、大地を里山として
3 飾り、装う―土と石、骨と貝、草木と漆を使って
4 装飾された土器群―実用を圧倒する文様と突起
5 文様に込められたもの―人と動物のすがた
6 ひとがた―土偶、岩偶に託したもの
7 祭り・祈りの広場―石の祭具 石の広場
著者等紹介
小川忠博[オガワタダヒロ]
1942年、東京に生まれる。写真家。準太陽賞、準朝日広告賞を受賞のほか、2010年には文化庁長官表彰を受ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
れみ
90
縄文時代の遺跡からの出土品を縄文人の生活の様子をテーマごとにまとめて紹介する本。装飾品や複雑な文様の土器など見ると想像していたよりも色彩豊かな環境で生活していたんだろうなあと感じた。そして、土器が小さいものから大きなものに変化したのは移動型から定住型に生活が変わったからというところが興味深い。2016/02/28
あじ
55
『縄文美術館』を覗くと、縄文人たちの精神的な豊かさに気づく。子供の誕生と成長を記録したのだろうか、手型、足型、歯型などが発掘されているし、土偶のモチーフには生命を育む妊婦を好んで象っている物が多い。また動物に対しては「いのちをいただく」感謝を捧げているかのような置物も、多数発掘されていた。土器や土偶には一部、アスファルトを使用していたそうだ。調理器具はデザインと実用性を兼ねた優秀なもので、生活への向上心と好奇心が見て取れる。鼻や耳、口のアクセサリーパーツは、縄文パンクのようで微笑ましい。カラー写真集です。2016/06/28
booklight
37
550点の写真から縄文の息遣いが身近に感じられた。1万年以上続いた縄文時代。1万人から20万人ぐらいの人口の上下がある中で、こういった文化が育まれ、地続きで今に繋がっていると考えると、遠いおじいちゃんおばあちゃんも頑張ったな、という気になってくる。土器の文様や土偶の抽象性を見ていると、文化と精神性の根本は今とそんなに変わらない、むしろ1万年も練磨された文化は、それ独自の文化と思えてくる。考古学的解釈が本として極力抑えられ、美術面に特化しているので、文化の豊かさが直接的に感じられた。楽しい鑑賞でした。2019/05/06
pocco@灯れ松明の火
22
美術写真?:出土品を視点を変えて分類展示。美術工芸品の陳列を見ている様。見るだけで縄文時代の生活・営みが感じ取れる。この表紙の岩偶を見て即、アドレナリンが沸々。時代が違えど同じ日本人。人の生活を想像して。そうだ、GWは古墳群・歴史資料館へ行こう。2013/04/29
T坊主
18
1万6千年前に縄文時代があった、今以上に生きていくのが大変な時代だったのでしょうが、ある面のんびりと?生活していたのかもしれない。読書の合間にこういう本を眺めてその当時のロマンを夢見るのもいいことだね。2018/04/04