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地上の飯―皿めぐり航海記

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  • サイズ B6判/ページ数 189p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784582835588
  • NDC分類 383.8
  • Cコード C0095

内容説明

国境なき食欲、おいしいごはんを求めて東へ西へ。カリブの芋棒、砂漠の芋虫、パンの実と探検隊の缶詰、くじら汁に人食い、修道院のお菓子、フリカケにチョコレート―世界のお皿には人々の記憶と物語がいっぱいつまっている。ドミニカからロシアまで、七つの海を越えて綴られる奇妙奇天烈御馳走奇譚。

目次

スパンコールの海(碧緑芳香島;鱈の世界旅行 ほか)
探検家の食卓(パンの実奇譚;虫めづる人々 ほか)
記憶の皿(つらら食い;心残りの一皿 ほか)
国境の匂い(国境の匂い;フリカケの存在意義 ほか)

著者等紹介

中村和恵[ナカムラカズエ]
1966年生まれ。東京、札幌、モスクワ、メルボルン、大阪、ロンドンなどに移り住む。東京大学大学院比較文学比較文化専攻博士課程中退。現在、明治大学教授。小説、詩、批評、翻訳など幅広い分野で活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

96
文学と食べ物と文化に関する良質なエッセイ。南インドでのイディリと湯気の重要性について論じ、ドミニカ島で来日前のラフカディオ・ハーンの記述にあるアクラを食し、鱈と奴隷制とカリブ海の関係について知る。現代のフランス料理は食材の多くが元々ヨーロッパになかったものだと論じながら仏領マルティーニ島でクレオール風フレンチを食す。オーストラリアで、鯨を食べる日本人とウサギを丸焼きにする豪州人の野蛮さを比較議論する。土地の食べ物の背後には古い物語と歴史がある。旅人が味わう一皿には文化と知恵が凝縮されている。2022/04/12

syaori

42
「見聞した土地や調べた本で知った、食べ物にまつわる話」を書き綴ってみた本。筆者は比較文化を勉強した方で、そのせいか一つの料理や思い出が様々な国や事件に結びついていきます。例えばカリブ海の島の塩鱈のパンケーキから寒い海の魚・鱈が南国の常食になった植民地時代の世界事情が浮かび、冒険小説の定番パンの実からはタヒチ旅行と、そのタヒチからカリブの島へのパンの木移植計画から起きた「バウンティ号の叛乱」が出てくるという具合。筆者の主張が少し気になったものの、一つの香りを追って展開する「ゾンカ」などはとても好きでした。2018/01/31

アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯

31
様々な土地を訪れ、地元の昔から食べられている料理を食べ、その地の人の暮らしに触れながら、その土地の文学者が書いた著作に思いをはせる。作品の舞台となった土地を訪れるというのは、読書好きなら憧れる旅の仕方だろう(蚊はうらやましくないけれど)。読友様のレビューを読んで読みたくなって。2017/04/27

秋 眉雄

22
食べ物にまつわるクスッと笑えるエッセイ集。とは全く違う一冊。食べ物を足がかりに文化や生活や歴史・政治、それらに絡めて自己の主張を語る、中村和恵さんらしい一冊です。一応、代表作ということになるんでしょうね。でも、どうなんでしょうか。他の本も一応一通り読みましたが、どれもあちこちに書いたのを集めたものばかりなので、遠慮のないものと微妙に遠慮がちなものが同居しているというか。ここらで一冊ドーンとビシバシと主張する書き下ろしを一冊読みたいなと思いました。2020/10/08

野のこ

22
歴史と文化を掘り下げて地上の飯のなんとも奥深いこと!小説の引用も印象深かったです。国境を超えた新たな匂いにドキドキわくわく。出会った事のない料理ばかりで想像が膨らみました。生マグロのココナッツミルク和えタロ芋添えは著者も空想した一品。ココナッツの発酵は興味あります。2017/04/26

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