内容説明
インカ帝国時代、人々はどのような植物と出会い、何をどのようにして食べてきたのか。約四〇年、アンデスやアマゾンの秘境を歩き続けてきた写真家が伝える、伝統の暮らしと文化。ジャガイモ、トウモロコシから果物、酒、肉、魚まで、今に伝わるアンデスの食材と料理探訪記。
目次
第1章 アンデスで体験した食生活
第2章 高地から霧の谷間、海岸の砂漠へ
第3章 インカ時代の食生活
第4章 遺跡から知る食の世界
第5章 古典種系作物の探索
第6章 現地料理の美味を求めて
著者等紹介
高野潤[タカノジュン]
1947年新潟県生まれ。写真家。写真学校を卒業後、ペルーやボリビアをはじめとしたアンデスやアマゾン地方を毎年歩き続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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syaori
57
写真家の著者が、毎年の旅を通じて触れたアンデスの食材や料理を紹介してくれる本。インカの時代から続く人々の営みや食、それが新しく加わった素材や文化とどのように溶け合っているかの考察が、著者の経験(現地での自炊生活)や出会った景色・料理を通じて描かれるので、どんな気候でどんな食材をどう食べているのかが分かってアンデスの食が身近に感じられます。圧倒されたのが著者が探索したジャガイモ210種。それぞれに色も形も様々で、カラフルなジャガイモの写真とその味の感想を眺めているだけでもアンデスの奥深さ豊かさを感じました。2019/10/15
キムチ
44
アンデスをちょびっとだけ歩いただけ・・でも楽しめるこの本。眩暈がしそうな数、そして呼称のジャガイモ、トウモロコシ、果物や珍しい野菜の類も百花繚乱。写真が豊富で見ているだけでも楽しい。ペルーに行った時「なぁ~んと!南米随一の食の黄金地帯や!太古文明と植民地、キリスト教文明が併呑された傑物の集まりだ」と唸った記憶が。今、日本でも知れてきたハーブやエキス、カラフルな鳥や果物、花の類もペール―に産するものは数知れず。ケチュア語は「音」としてしか聞こえなかっただけに高野さんが聞き取りに苦心したとあるが、大いに頷く。2017/02/02
わっぱっぱ
23
自他共に認める食いしん坊(美食家ニ非ズ)の私。インカの食卓??イメージが湧かなかったことが悔しくて。 初めて聞く食材の多さに圧倒されました。特にジャガイモの多様なことといったら!イモ好きとしては興奮を禁じ得なかった。果物やトウガラシ、穀類、ハーブ類の種類も豊富。未知なる食材のオンパレードに味のイメージが追いつかなくて、ひたすら「食べてみたい!」と唸りながらの読書と相成りました。クイの丸焼きなんて日本じゃ食べられないよ。失礼ながら文章はあまり上手くないものの、著者の探究心が好ましい。太古の文明に敬服。2017/03/06
トムトム
20
個人的に南米の古い食事に興味があり読んだ。興味深い内容がたくさんあり、高野さんに直接聞いてみたいことがたくさんあったので連絡を取ろうとしたら…亡くなっていらっしゃいました。とても残念…。かくなる上は、イタコか。2023/09/26
トムトム
13
個人的に南米の古い食事に興味があり読んだ。興味深い内容がたくさんあり、高野さんに直接聞いてみたいことがたくさんあったので連絡を取ろうとしたら…亡くなっていらっしゃいました。とても残念…。かくなる上は、イタコか。2023/09/26