内容説明
食いしん坊必見、作って、食べて…晩酌料理歴35年、堂々134品。
目次
酒肴ありき―乙なる晩酌の友(ワガハイ;芽吹きをつまむ ほか)
旬を味わう―自然の恵みに感謝(芹―茹でる、浸す;蛤―湯がく、和える ほか)
もてなしの一品―妻への食卓(〓魚(はむゆい)炒飯代理
カルボナーラじゃこ版 ほか)
食べる器―五感を盛るもの(大皿―伊万里染付大皿;筒向―絵唐津筒向 ほか)
文人ごはん―憧憬の味(手料理―向田邦子;惣菜日記―池波正太郎 ほか)
著者等紹介
矢吹申彦[ヤブキノブヒコ]
1944年東京生まれ。65年桑沢デザイン研究所入学。67年同研究所抹籍後フリーのデサイナー、イラストレーターに。69年、月刊「ニューミュージックマガジン」のADと表紙イラストでデビュー。その後、食道楽の指南役、伊丹十三と出会い親交を深める。92~95年「東京人」表紙絵担当。その他広告、雑誌などさまざまなイラストレーションを手がけ、現在にいたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kei
12
おしつけがましくない食の薀蓄が素晴らしい。レシピがついていて料理書の体でもあります。全編カラーの春夏秋冬の絵が心を揺さぶります。そう、ただ、ただ、旨い酒が呑みたい、旨いものが食べたい、総てはそこからはじまった、だけなのに。(笑)ほかの読メさんも書いておられますが、そこはかとなく、上品で、私の思う東京人のおひとりでもありますね。2014/11/21
mawaji
3
伊丹十三のエッセイの表紙を通して知った矢吹申彦。79年に買った「風景図鑑」以来の2冊目。その頃から文人墨客の貫禄充分でしたが本書でも食にまつわるエッセイとイラストで季節の食材、料理、器の蘊蓄まで全てを堪能しました。あまり凝ったものは難しそうですが、お手軽酒肴メニューとして鶯宿梅や蕗味噌、茗荷の酢〆めなど試してみよう。矢吹家のきりたんぽはちゃんと芹の根っこも入れているのはさすが本格派。「文人ごはん」の項では私も伊丹十三のエッセイで食にまつわるいろいろなことを教えてもらったものだと懐かしく思い起こされました。2013/04/17
kashinamu
2
矢吹申彦さんのイラストがこの本の肝。2014/02/03
nizimasu
2
イラストレーターの矢吹さんが酒のつまみを作るがために、凝りに凝ったすえに辿り着いた男のグルメの世界。池波正太郎や伊丹十三からもインスパイアされつつ、手の込んでいないレシピがエッセイにまとめられた。しかし、文章もさることながら、イラストのおいしそうなことよ。総天然色の写真と違う趣にお腹が鳴ること請け合いです。2012/01/29
タイコウチ
2
料理に関しては主夫である著者による食材、料理、器についての短いエッセイにそれぞれレシピがつき、さらに全編カラーの上品な挿絵も入ってこの値段と、かなりの充実感。いわゆる「男の料理」ではなく、それほど手の込んでいない日常的な酒の肴と食事が中心で、寿司、鰻(蒲焼き)、天ぷらなどは所詮プロにはかなわないと、はなから外食にあずける心構えが、素人料理人にはかえって心強い。それでもスーパーで買ってきた鰻はお湯で表面を流してから櫃まぶしにするなど、ちょっとしたこだわりで気持ちも豊かになる。個人的にはかなり使えそうな内容。2011/10/21