出版社内容情報
歴史叙述は半身のごとき漢文と手を切り、総ルビを消した小説は別な読者に別な読みを要求し始める。開化期、言説の秩序の再編成。
内容説明
漢文との堅い絆を断った歴史叙述は、漢字仮名まじり文に新たな分割線を引き、おきまりの総ルビを振り捨てた小説は、新たな読者と新たな読みを成型しはじめる―。19世紀後半期、この国の言説の構造変動を踏査する、スリリングな道行き。待望の論集。
目次
1 歴史叙述と文学(歴史というトポス;歴史叙述と文学;小説と伝記)
2 小説のすがた(小説のすがた;二人の部屋;自分の登場 ほか)
3 歴史と物語(歴史の彼方;歌のありか;宮崎夢柳と『鬼啾啾』)
著者等紹介
谷川恵一[タニカワケイイチ]
1954年生まれ。京都大学文学部卒業。現在、国文学研究資料館教授。近代日本文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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