テオ―もうひとりのゴッホ

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  • サイズ B6判/ページ数 262p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784582833669
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C0071

出版社内容情報

ゴッホの弟テオとはどのような人間だったのか。未公開書簡を駆使したテオに関する初の伝記。兄弟の新たなる真実が浮かび上がる。

内容説明

兄ヴィンセントは弟テオなくして、画家ヴァン・ゴッホたりえたか?98通もの未公開書簡を軸に弟テオの画商としての生涯に光を当てた初めての伝記。“ふたりのゴッホ”の芸術創造のドラマ。

目次

第1章 護られた幼年時代―一八五七~一八七〇(兄弟愛;初めての別離)
第2章 犠牲の青年時代―一八七一~一八七八(セント伯父と美術商;ブリュッセル―希望を胸に ほか)
第3章 パリ‐成功への希望―一八七八~一八八三(兄との断絶;ヴィンセントの模索 ほか)
第4章 傷だらけの要求―一八八四~一八八八(認められたい願望;牧師の死 ほか)
第5章 ヨハンナ、その絶対の愛―一八八八~一八九〇(黄色い家;略奪者 ほか)
第6章 悲劇の宿命―一八九〇年五月~一八九一年一月(幸福の可能性;不安に取り憑かれて ほか)

著者等紹介

オザンヌ,マリー=アンジェリーク[オザンヌ,マリーアンジェリーク][Ozanne,Marie‐Ang´elique]
歴史研究家、国際文化関係論専門のジャーナリスト。写真・美術評論も手がける。「画家と旅」に関する著作を準備中

ジョード,フレデリック・ド[ジョード,フレデリックド][Jode,Fr´ed´erique de]
大学で社会史専攻、「レジスタンスにおける女性像」についての試論を発表し、ジャーナリストとなる。現代アーティストたちを対象としたシリーズ・インタビューもある

伊勢英子[イセヒデコ]
1949年生まれ。画家、絵本作家。東京芸術大学卒業。絵本『むぎわらぼうし』で絵本にっぽん賞、創作童話『マキちゃんのえにっき』で野間児童文芸新人賞、宮沢賢治作品『水仙月の四日』で産経児童出版文化賞美術賞を受賞。最新作『ルリユールおじさん』で講談社出版文化賞絵本賞を受賞

伊勢京子[イセキョウコ]
1950年生まれ。編集者、ライター。早稲田大学教育学部英語英文科卒業。旧KDDを経て、パリに1年間遊学。帰国後、旅行代理店、編集プロダクションを経て独立。現在、編集事務所アイズ(i’s)代表。主に旅や猫関連のガイドブック、雑誌などの取材、執筆、編集に携わる。イラストも手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

117
ゴッホの弟の未公開書簡による新たな伝記です。今までは昔岩波文庫でゴッホの書簡集を読んだだけでしたが、ここにはそれに掲載されていない生の弟の姿があぶりだされています。兄思いだけであったという今までのイメージが覆されたような感じです。絵本作家の伊勢さんと妹さんの共訳によるようですが読みやすいと感じました。再度岩波文庫でも読んでみようかと思いました。2018/01/23

けんちゃん

26
画商テオ・ヴァン・ゴッホの評伝。「にいさん」の作者である伊勢英子さんと京子さんによる姉妹共訳。美術に関する知識のなさと読解力のなさ故に、私にはとても難しく読了するのがやっとでした。兄ヴィンセントの生涯に関する断片的な知識がつながっていく程に、弟テオの存在がいかに大きかったか「ゴッホの生涯」=兄弟の生涯といっても過言ではない深い結びつきを見せつけられました。勤勉さと優しさの故に、兄以上に壮絶な生涯だったかもしれないテオの歩みが悲しく、重く、つらくのしかかってくるようでした。2011/08/18

みそさざえ

20
テオは、兄の死の衝撃から立ち直れずに後を追って亡くなったと思っていたが、全く違っていた!彼の虚弱体質や一家の遺伝ともいえる鬱状態、特に最期に近づくにつれ、テオがヴィンセントに類似していく様子、家族関係、妻のヨーについて等、初めて知ることが多かった。冒頭の言葉が胸に迫る。「生まれながらにして、普通の人々とは異質につくられた者たち」の生きづらさや、だからこそ生み出された傑作に思いを巡らす。共依存。テオを知ることでヴィンセントへの理解も深まる。伊勢姉妹の翻訳。「にいさん」を改めて読んでみよう。2022/05/07

けいご

17
テオとフィンセントはアートに魅せられた経済的支援者と精神的支援者で、互いに違う孤独感の中で生きていた事がよくわかる1冊でした(一言では表現ムリ)。読んでいるうちにアートが人を狂わせるのか、人がアートを狂わせるのか分からなくなりました。きっとそのどちらともなんでしょう。ただただ自分にとっての「本物」を追い求めた故の結果だったのかな。本物を突き詰めると世間と乖離するもんね〜。彼らが幸せだったのかどうかはさて置き、二人とも人間として恐ろしく立派に生きたんだな〜っと心より思いました。伊勢姉妹での翻訳、素敵でした。2020/07/04

カキ@persicape

14
悲劇的だ。一家を支え、自立できぬ兄を絶えず援助し、自ら評価した芸術の支えであろうとした。「君は僕に妻をくれることはできない、子供を与えることもできない、仕事をくれることもできない、だが金ならできる!」と兄に叫ばれようが見捨てない。狂った兄は自殺、弟も狂人となりたった半年後に逝く。テオに先見の明がなければ、妻ヨハンナが亡き夫を愛し奔走しなければ、息子がその意思を引き継がなければ、今日のゴッホは消え去っていたかもしれない。たくさんのIFの上に今がある。兄弟愛だけでは片付けられず壮絶で理解しがたいが興味深い。2017/01/04

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