内容説明
あの『黄泉がえり』の作者が満を持して放つ究極のタイムトラベル・ロマンス!150年の「時の壁」を超える恋の行方は?待望の長編最新作。
著者等紹介
梶尾真治[カジオシンジ]
1947年、熊本市生まれ。小説家。71年、短編「美亜へ贈る真珠」で作家デビュー。91年、長編『サラマンダー殱滅』で、第12回日本SF大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
87
読み終えて思わず、「梶尾さん、ありがとう!」と心で叫びました。物語は静かに始まり、さほど劇的な出来事は起こりません。つばきさんとの出会いを除いて。それなのに、この読み応えは何だろう。どんどん読ませてくれて、まるで300ページの短編のよう。自分を好きでいてくれる異性がいるということは、何と切ないことだろう。何とかならないものか、でも終わりに近いのに、何ともならない! と、そこで……。ネタバレは書きませんが、こんなに読後感のよい物語はひさしぶりでした。2020/04/28
エンリケ
47
タイムトラベルと純愛を扱った物語。幕末の女性つばきさんの清楚さは男ども万人の夢かもしれない。現代人の主人公が恋慕するのも無理からぬところ。幕末と現代を往き来するが、偉人達を登場させず徹頭徹尾二人の純情を描いたところは却って好感を持った。140年も経てば風景も一変するが、変わらぬものを見つけてほっとする登場人物には共感。男女の情と信仰心も又普遍的なようだ。時代を越えた恋は悲しい結末を予感したが意外な結末に安堵。大林監督による映画化も計画されているとか。是非観たいが、つばきさんに合う女優さんが思い付かないな。2019/04/03
Tadashi_N
41
時間旅行と恋愛は、梶尾真治の得意領域。心温まる話だった。2018/08/09
BlueBerry
34
所謂タイムとラベルものですね。あまり新鮮味は無かったですがそれなりに楽しめました。2013/10/08
巨峰
31
〝時駆け〟物。熊本の城下町に限定したのが、この作が傑作となった要因と思う。町も橋も城も人も川も、あの頃とは違うけど、だけど同じものもある。そして、Bカップのヒロインが素敵!まあ、江戸時代の人だし…2025/01/11