内容説明
過去の人権侵害を調査し、その特徴を分析報告する目的で設置される真実委員会。この政府機関は何をする組織なのか、いかなる潜在的可能性をもつのか、そして、どのような限界に直面しているのか。第一人者が二十を超える世界中の委員会を網羅的に調査、その多様なあり方に対して、現実的・分析的な見取り図を提示するはじめての概説書。社会的暴力におおわれた人間関係を、武器ではなく、言葉によって変えようとする社会装置の役割は今後ますます大きなものになるだろう。
目次
はじめに
過去の犯罪に向き合う
なぜ真実委員会なのか?
五つの主要な真実委員会
その他の一六の委員会
真実とは何か?
真実対正義―取り引きの対象か?
罪を名指す
過去の傷から癒される
未来へのまなざし―和解と改革
政府による補償
過去を不問に付す
真実委員会と国際刑事裁判所―利害対立か相互補完か
委員会の内部事情―根本的な問題と実務上の課題
外部社会からの批判と援助
未来へつなぐ
著者等紹介
ヘイナー,プリシラ・B.[ヘイナー,プリシラB.][Hayner,Priscilla B.]
コロンビア大学大学院国際公共政策研究科を修了後、フォード財団、国連人権高等弁務官事務所等を経て、国際移行期正義研究所(ニューヨーク)・国際政策立案室長。実務・研究の両面から、南アフリカ、シエラレオネ、東ティモール、ペルー、リベリアにおける真実委員会に関与、精力的に活動している
阿部利洋[アベトシヒロ]
1973年生。京都大学大学院文学研究科修了(文学博士)日本学術振興会特別研究員を経て、大谷大学文学部講師。専攻は社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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メルセ・ひすい