内容説明
少女の好物は男の夢。妖奇サブリミナル小説、現代アートで読む渋沢龍彦。
著者等紹介
渋沢龍彦[シブサワタツヒコ]
1928(昭和3)年、東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。サドをはじめとするヨーロッパ暗黒・異端文学研究の第一人者。政治の季節といわれた60年代に、『神聖受胎』『毒薬の手帖』『夢の宇宙誌』などの著作で、文学・芸術の視点から脱マルクス的思想を送り出し、当時の左翼的土壌に激震を起こす。59年に翻訳したサドの『悪徳の栄え』が猥褻書とされ発禁処分(60年)となる。当時の作家・文化人を巻きこむ「サド裁判」が起きるが、69年、最高裁で有罪判決が確定する。その後もシュルレアリズム、オカルティズム、エロティシズムなどに関するエッセイや、西欧古代・中世を中心にした斬新な美術・文学評論をつぎつぎと発表、三島由紀夫など同時代の作家に強烈な刺戟と影響をあたえた。80年代以降は日本の古典によった独自の幻想文学世界を確立、『唐草物語』(泉鏡花文学賞)、『うつろ舟』、『高丘親王航海記』(読売文学賞)などの傑作を生む。1987年、咽頭ガンで急逝
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感想・レビュー
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YM
61
いま澁澤龍彦、高丘親王航海記にはまってます。本書はその中でも特に好きな「獏園」の世界を現代美術の山口晃氏の絵でみれます。山口晃さすがの世界観。澁澤氏、山口氏どっちも好きな僕はただのファンですから、かわいくって、エロティックで、おもしろくって最高!!としか言えません。獏はやっぱりいいよなー。2014/12/02
yn1951jp
38
山口晃の絵が楽しい。表紙は少女に弄ばれる獏か?薬子に弄ばれる親王か?澁澤譚を借りた山口の時空を超え、現と夢を超えた旅行譚。盤盤国のある七世紀のマレー半島の地図、熱帯の『南国パラダイス』での高丘教授のゼミ旅行、密林の村での仏の『胎内廻り』、獏園の『夢殿』、炬燵で西遊記を見ながら絵を描く山口少年、博物学者円覚による獏の動物図譜、そして世界中で繰り広げられる少女と獏の愛の営み。2015/02/07
里愛乍
36
非常に「耽美」この言葉が実にしっくりくる、装丁といい挿絵といい、何よりも文体が超耽美。綺麗な表現であるのに実にエロい。いや実際内容もエロいんだけど!だけど途轍もなく上品という言葉もしっくりくる。ページ数、文字の大きさ等すぐにも読めてしまうものの、読み終えた今のこの余韻を味わうところまでが澁澤龍彦の「読書」、なのであろう。あとがきにある、彼の解くエロスがなんとも美味。2018/02/22
藤月はな(灯れ松明の火)
23
澁澤龍彦作品を初めてちくま文庫の全集で読んだ時に魅せられたのが「高丘新王航海記」でした。大好きな作品が山口晃氏の面白くも淫靡な絵付きで拝めるなんて夢のようでした(感涙)夢を喰らう獏と獏に奉仕する少女、後に世を混乱させる薬子の獰猛な美しさと共にある狡猾さ、滑稽な旅の顛末も文章、絵ともに良く、夢落ちとも言える最後が物語の円環性を印象付けています。2012/09/13
むつぞー
17
山口晃氏の挿絵が観たくて手にしました。ラストの少女と獏のいろいろなスタイルで描かれ方が、この物語をいろんな所へ持って行ってくれます。それが「高丘親王航海記」からの抜粋だけど、この話だけでもしっかり物語としてより独立させたように思います。2013/07/20




