内容説明
冬の紅玉、夏の白熊。ギネスビールで猫見酒?目白・カナイ家の食卓を彩る、おいしい料理の数々から、めくるめく食の記憶の海へ―。画家の姉と小説家の妹と、愛猫トラーが腕を振るった44皿、辛口あり、甘口ありのスパイシー・エッセイ集。
目次
待つこと、(重なる時間;トリアエズ・ビール;紅玉づくし ほか)
忘れること?(ご挨拶;トマトの具;ヨーグルトの冷たい簡単スープ ほか)
再び、待つこと、(ほどほどに…;マンボ・ビビンパ;ニンニクとトリの丸焼き ほか)
またまた、待つこと、忘れること(豆乳と豆腐;承前と、ロースハムのパイナップル仕立て;ハムのパイナップル仕立て、トマトのグラタン ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
68
金井姉妹と猫のトラーによる、ふんだんに猫の絵のある連作エッセイで料理のレシピもあり楽しめる。「リンゴの魅力はあの香りとすっぱさにあると思っているので、もちろん、私は紅玉以外のリンゴは好きではありません。」と、言い切ってしまう独断的なところがあり、すっきりしていて好きです!2016/12/26
野のこ
18
知的で小粋な文章。好き嫌いがはっきりしているところは潔い。料理のコツをさりげなく教えてくれたり、ひと手間も丁寧でその一つ一つのが素敵だなぁと思いました。「なすのケーキ風」はすごく気になったけど私には難しすぎて、できないのが残念。離婚の原因のトマトの味噌汁はやってみたいです。離婚はしたくないけど。私も大好き、紅玉料理のレパートリーが多くてわぉっとなった。柿の白あえに、さつま芋の煮物、セロリのサラダも美味しそう。ジャムにしても余るなんて羨ましいです。ちなみに始終猫のトラーの存在を感じました。2017/04/26
あ げ こ
13
年々ピンと来る事が増えて行く。主にうんざりする事や億劫さ、「ケッ!」な事、あとはこまごまとした楽しみの部分で。金井姉妹ほど細やかに敏感にでは当然ないけれど、手抜きに手抜きを重ねてはいるけれど、自分もまたそのように暮しているのだろうと思う。この本を読む楽しさは、〈トラーの縞の濃い色のところって、ギネスの色に似てるよね、そっくり。それに、お腹の毛がフワフワしているところは、ギネスの泡の色に似てるよね?トラーちゃんのお鼻はスモークサーモン色だね〉などと言った猫見酒真っ只中の姉妹の会話をおすそわけしてもらったり…2021/08/28
あ げ こ
11
金井さんの所にいる感じ。気がつけばお邪魔している感じ。猫ちゃんもそこここ気ままに動き回っているし。今回は自分も割と寛いで。どれだけそれを好きであるか、嫌いであるか。どれだけそれが当然の事であるのか、あり得ない事であるのか。それが完成品のどこに繋がって行くのか。語る言葉はいつも通りのあの。しなやかであり強靭であり。緻密であり辛辣でもあるあの。とんでもない当て擦りとなり惚気ともなるあの。今回は楽しかった。金井美恵子を読んでいて楽しさが他の何より勝る珍しさよ。負い目とか怖さを感じる必要がなかったと言うべきか。2016/10/13
relaxopenenjoy
7
文 妹 美恵子氏。絵 姉 久美子。愛猫トラーが可愛い。初の著者。アンソロや解説文などでよんだことはあったが、纏まって読むのは初。構えていたけど、確かにお喋りを聞いてるような、独特な文体だったけど、食べ物ネタや家事ネタなぞ読みやすかった!あとは少し前の文学や映画のネタなど。メモ ジェーンオースティン「レズリー城」。ナスのシャチ煮(ナスとベーコンの煮物)、トリ手羽の無精焼き(味噌焼き)、トマトのグラタン、ナスのケーキ風、廃油石鹸「せっけんの街、ベニス風レバーステーキ、トリレバーと高野豆腐の煮物、紅玉づくし。2023/02/28
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