内容説明
昭和27年、横浜港に中華鍋さげた陳さんが到着した。以来35年、心をこめて作りつづけた四川料理が広がって、今では誰もが《麻婆豆腐》のおいしさを知っている。中華料理の第一人者陳建民が語る料理人生50年。
目次
母とふたり故郷を出る
偸精学芸のはじまり
京川飯店で
貿易商売と結婚
鴉片を作る
コックにもどる
揚子江を下って
南京のお店
上海にて
台湾へ
海鮮のこと
香港で
阮じいさんの占い
運命の日本へ
貴人たちとゲストハウス
おかあちゃんと会う
虎の門のころ
わたしの先生たち
頂好と福禄寿
1年半の香港園
四川飯店の誕生
家族たち
学校をつくる
赤坂四川飯店
四川飯店グループに
四川料理とっておき
なつかしい思い出
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えふのらん
2
題名通りに料理修行をしながら中国を旅し日本で落ち着くまでの話。四川料理で有名な方なので戦時中に難民としてやってきたのか、ともったらさにあらず。東から西へと横断し台湾を経由して日本に達している。しかも四川料理専門というわけではなく香港では魚介を捌いて広東料理を身につけており、相当な勉強家でもあったようだ。2024/08/27
秋津
0
日本に麻婆豆腐などの四川料理を伝えた陳氏の自伝。四川省富順から大陸を横断し、台湾、香港を経て来日し、四川飯店を立ち上げるまで腕一本で生きてきた様子が凄まじく、また面白い。自分が磨いてきた料理の技術をオープンにしたり、日本人向けに改良してみたり、立派な方だなと思うと共に、調理技術に優れているだけではなく機を見るに敏い方だなという印象を。阿片の商売を行っていたのは初耳。2017/07/23
ワタナベ読書愛
0
1988年刊行。日本に麻婆豆腐と四川料理を普及させた偉大な料理人。陳健民が69才の時に世に出た一代記。波乱万丈の人生を華麗な鍋捌きで切り開き、家族の他に多くの弟子や関係者の面倒を見て、自身もどんどん発展していく様子が語られる。途中から日本の妻:洋子氏も加わり、陳さん一家の珍道中に花を添える。ありえない幸運が連発し、「貴人」に助けられ、普通は出会えない人々とご縁をつないでいく。騙されたり、ひどい目にも遭っているのに、負けることなくどんどん突き進んでいく。これを読むと、元気になって勇気がでますよ。ホントよ。2022/09/18
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