出版社内容情報
「一縷の望みにかける思いで電話しました。どうか助けてください」
読み書きができず告訴状を提出できない老齢の囚人、
精神病院に閉じ込められた外国人労働者、
人望が厚い上司から受けた性暴力、
コーチの体罰に耐えるスポーツ選手……
韓国・国家人権委員会で働く調査官のもとへ届く、悔しさを抱えた人々の訴え。
人権を守るために、私たちはいったい何ができるのか?
現役の調査官が出会った人々の姿を描く、心揺さぶるノンフィクション。
「時に裏切られ、騙されても、市井の人々の痛みと悲しみに寄り添う。
人権とは、人間の尊厳とは何かを何度も問い直しながら」
──望月衣塑子さん(ジャーナリスト)推薦?
法律と制度によって規定された人権ではなく、悲しく、おかしく、愛おしい、矛盾した存在である私たちの姿を通して人権を語りたかった。存在しているけれど届かない「声なき声」に小さなスピーカーを一つつなげて、この世界に静かに響きわたるようにしたかった。
──本文より
【目次】
プロローグ 私たちは少し悲しくて愛おしい存在
第一章 ある訴えの言葉
あの男の真っ赤な?
ヨンジュゴル、あの部屋の子に
彼はどうやってジャン・バルジャンになったか
誰かの最高の服
神ではなく私たちの責任だ
私たちが本当に応援していること
絶対にそうしない人はいない
そして誰も責任を取らなかった
最低賃金をもらいながら耐えた言葉たち
囚人の白い手
最後の?
メールアドレスが「訴え」の理由
イシモチ売りのくせに
第二章 たったこれだけの優しさ
仕事の喜びと悲しみ
調査局の脱穀機の音
プノンペンへの道
受取人死亡
ああ、人権
お墓の隣にテントを張って
親切な調査官のハラハラどきどきの綱渡り
誰がより悪党か
「人権の守り手」と「人権(攻撃)の受け手」のはざまで
青瓦台の前を颯爽と
調査官の職業病
十人がひと匙ずつご飯を足せば
夜道の恐怖
息子のバイトを引き留めながら
夕日にも事情があるでしょう
踊れてこそ人権だ
愛猫のプリに学んだこと
訳者あとがき
内容説明
韓国・国家人権委員会で働く調査官が見た、差別や冤罪、性暴力、拷問事件の裏側。法と制度の隙間からこぼれ落ちる人々の声を聴く。
目次
プロローグ 私たちは少し悲しくて愛おしい存在
第1章 ある訴えの言葉(あの男の真っ赤な嘘;ヨンジュゴル、あの部屋の子に;彼はどうやってジャン・バルジャンになったか;誰かの最高の服;神ではなく私たちの責任だ ほか)
第2章 たったこれだけの優しさ(仕事の喜びと悲しみ;調査局の脱穀機の音;プノンペンへの道;受取人死亡;ああ、人権 ほか)
著者等紹介
チェウンスク[チェウンスク]
2002年から国家人権委員会の調査官として働く。調査官として出会った人々の声を届けたい思いで本書を執筆した。大学では社会学を専攻し、「悔しいことは何でも聞いてくれる」YMCA市民中継室では市民運動家として、不利益を被ることになった市民の権利を取り戻すために働いた。本書は韓国ポータルサイトDAUMのデジタルコンテンツ・パブリッシング・プラットフォーム「ブランチストーリー」に連載され、第9回ブランチブック出版プロジェクトで大賞を受賞し、出版された。不当な扱いを受け、悔しい思いをした人に寄り添いたい一心で、日々陳情人に向き合っている
金みんじょん[キンミンジョン]
KBSラジオ通信員として、またフリーライターとして日韓のことを相互に発信している。慶應義塾大学総合政策学部卒業。東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士課程単位取得退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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