出版社内容情報
一代で世界有数の医療グループ〈徳洲会〉を築いた男、徳田虎雄。稀代の病院王の〈医・政・金〉、それを支えた側近たちの姿を追う。
内容説明
救世主?キワモノ?医師会との死闘、札束が飛び交う選挙、英蘭の銀行との駆け引き、徳洲会事件、ALS罹患…一代で、世界有数の病院グループを築いた男の実像に迫る。
目次
第1章 アメリカ帰り(医療砂漠;「僕に生命保険を掛けるんや」 ほか)
第2章 けものみち(医師会との闘い;孤立する医師会 ほか)
第3章 エデンの東(やくざと選挙;二度の落選 ほか)
第4章 政界漂流(自民に未練;政治資金マシン ほか)
第5章 王国崩壊、生き残ったものは…(ALS発症;ファミリーの眼 ほか)
著者等紹介
山岡淳一郎[ヤマオカジュンイチロウ]
1959年愛媛県生まれ。作家。近現代史、政治、経済、医療、建築などのノンフィクション作品のほかに、ジャンルを超えて執筆活動を展開。時事番組の司会、コメンテーターも務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おかむら
44
徳田虎雄ハンパねえ! 徳洲会グループの栄枯盛衰を側近たちへの丹念な取材で。面白すぎる群像劇! 側近たちもキャラが濃い濃い。これは是非大河ドラマでやってほしいわ。西郷どんより楽しいぞ。白眉は奄美大島の町長選挙。ほぼ暴動。笑ったー。そして徳洲会の病院って、なんか時々の週刊誌報道しか読んでないのでイマイチイメージ悪かったけど、ちょっと見直した。医療革命部分も読みどころ。とにかくトラオのカリスマ性と清濁合わせ呑み力すげーわ。役所広司でお願い。2018/07/03
hatayan
38
日本有数の医療法人「徳洲会」の盛衰を描いた「徳田虎雄と愉快な仲間たち」ともいえる作品。 徳洲会が拡大路線を続ける中で、理念に忠実に医療を実践する「表の顔」のほかに、政治資金をプールする「裏の組織」が。徳田が政治に向かって以降現場と意識のずれが生じ始め、阪神・淡路大震災では顕著に。晩年、徳田はナンバー2の能宗を同族経営を脅かす存在として排除します。能宗は内部事情を暴露、徳洲会は徳田一族の影響を排した形で再生します。 一人の英傑が生んだ組織が永く存続するには、内部で容易ならざる葛藤があることを伝える一冊です。2019/06/02
エリク
30
傲慢だけど独特のカリスマで、人をひきつけ、日本医療の一柱を創った人の話。2020/02/04
テクパパザンビア
29
面白かった。『生命だけは平等だ』徳州会の見方が変わった。虎雄恐るべし、徳之島恐るべし、田中角栄とダブって見えた。2018/05/20
templecity
12
徳之島で急病になった弟が医療環境が悪く小さくして亡くしてしまったのが原体験となって、死ぬ気で勉強して阪大医学部に入学、麻酔医となる。当時の病院は急患を受け付けず患者をたらい回しにしたり、休日は開けないという状況だったが、虎雄は勤務している病院で急患を次々と受付け、金持ちの予約室まで開放。その後、自前で病院を起こし、地域住民からは指示され、次々に徳洲会の病院を拡大。だが政治力のある医師会に反発され、これが政治家になるきっかけ。(続きあり)2019/06/20
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