出版社内容情報
1世紀頃の紅海、アラビア海、インド洋での交易実態。その貴重資料を最新の研究成果による綿密な注釈で読む。2巻には索引を付す。
蔀 勇造[シトミ ユウゾウ]
内容説明
1世紀の紅海からインド洋にかけての交易の実態を伝える決定的史料を、最新の研究成果を盛り込んだ的確・綿密な翻訳・注釈で読む。第2巻には総索引を付す。
著者等紹介
蔀勇造[シトミユウゾウ]
1946年、埼玉県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。専攻、アラビア古代史、東西海上交流史。東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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春ドーナツ
17
「マメ科の木(阿仙薬木)で、こらから得られる薬用成分(ペグアセンヤク)は(目木と同様に)やはり収斂作用が非常に強く、リュキオンに似た効能を有するが、しかし眼病の特効薬という点が強調されることはなく、その点でリキュオンの候補としてメギ科に属する植物には劣る。なお、現在の我が国にはこのペグアセンヤクは輸入されておらず、生薬として使用されているのはアカネ科のガンビールアセンヤクの方である。親しいところでは正露丸や口中清涼剤の仁丹にも配合されている」第39節註8のごく一部です。注釈の大海に浮かぶ小舟。ヨーソロー!2019/05/21
africo
2
1に引き続き。ちょっと時間ができたため、心に余裕を持って読む。落ち着いて読むと、エキゾチックな記載が楽しくまた目がいくが、元が実務書のため存外少ない。しかしその中でも白眉は文末の〆3行であり紹介したい。「これらの場所の彼方は、嵐の激しさや凍るような寒さに加えて、近づきがたい場所であるために、また神々の或る神聖な力の故に、踏査されていない。」これらの場所、はマレー半島あたりを指すのが通説らしいが、紀元1c頃のローマ・エジプト人がその付近の情報を持っていたこと自体がエキゾチックな感興を催す。2022/09/05