出版社内容情報
バードの原著簡略本40年ぶりの待望久しい新訳、いよいよ登場。明治日本を旅した英国人女性のこまやかで鋭い観察力とその描写が、今では失われた日本の習俗、気風、風景を伝える、旅と冒険の本!
内容説明
バードの原著簡略本の40年ぶりの待望久しい新訳、いよいよ登場。明治日本を旅した英国人女性のこまやかで鋭い観察力と描写が、当時の日本の習俗、気風、風景を伝える、旅と冒険の本!
目次
第一印象
旧きもの、新しきもの
江戸
中国人と従者
参拝
旅の始まり
粕壁から日光へ
金谷邸
日光
温泉場〔ほか〕
著者等紹介
金坂清則[カナサカキヨノリ]
1947年富山県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。京都大学名誉教授。イザベラ・バードに関する研究と写真展等の活動により、王立スコットランド地理学協会名誉会員他。専攻は人文地理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
127
最近コミックで結構話題になっていてそれを読んだので、その原著にあたろうとおもって読みました。このほかに同じ出版社から、4冊本の完全版が出ていますがこれは簡略本の原著で1冊に収められています。4冊本も読むつもりですが同じ人が訳されているようです。訳がよく読みやすいのでさらっと読めてしまいます。絵も収められていてこれ1冊で蝦夷までの旅程が楽しめます。2016/07/29
ワッピー
32
明治11年4月、横浜に上陸したイザベラ・バードは、日光、東北から北海道までを踏破し、当時のインフラ状況や人々の生活について貴重な記録を残した。勉強熱心な若い通訳伊藤だけを供に、衛生状態の劣悪な宿屋に泊まり、タンパク質に飢えながら、未整備の道を8か月にわたり旅を続けた動機が「健康上の理由」とはなんとも恐れ入ります。各宿で珍しい外国人女性を見物しに集まる民衆に囲まれ、障子に穴をあけて覗かれることすら常態のなか、それでも悪意を向けられたり、害を被ったことはなく、日本人は安全だという判断、↓2019/09/18
かんちゃん
26
字が小さい上に単調で、なかなか手強い本だった。明治初期、英国のご婦人が日本を旅した。本書は、東日本から蝦夷に至るまでの旅行記だ。異人さんの眼に映る日本人の姿、アイヌ人の姿。「未開人」「ブサイク」と切って捨てられると苦笑いもするが、ビゴーの風刺画にもあるような日本人像は、文明開化の波に翻弄される当時の庶民をうまく掴んでいる。英国人の偏見に怒るなかれ。日本人だって十分に傲慢だったのだから。2015/09/09
壱萬参仟縁
21
日本での旅の記録(ナラティヴ29頁)。 34頁の富士山は違和感がある。 尖がり過ぎているんで。 こんな時期もあったんだろうけど。 当時はまだ、品川も新橋も村(47頁)。 当たり前といえば当たり前か? 伊藤という通訳の給与として、 月12ドル(12円) という(53頁)。 同じ数字に貨幣単位が付く1ドル=1円の 時代か。 米沢平野はエデンの園(215頁)。 米、綿、玉蜀黍、煙草、麻、藍、大豆、 茄子、胡桃、西瓜、胡瓜、柿、杏、柘榴 (ざくろ)が豊か。 アジアのアルカディア。 2014/05/30
nemunomori
13
英国人の女性旅行家イザベラ・バードさんが、日本人のガイドと二人で明治時代初期の日本を旅した記録です。悪路をものともせずに東北を縦断して、なんと蝦夷地まで行くのです。はじめは日本人を汚い野蛮人のように見ていたのが、旅を通じて次第に同じ人間として相対するようになる過程が興味深く、平たい顔族の日本人よりも、目鼻立ちのはっきりしたアイヌの人々に親近感からか好意的なのが面白かったです。美しい風景描写が感動的。簡潔な翻訳が読みやすいです。2017/12/04