内容説明
朝鮮王朝第四代国王世宗が1446年にハングルの創製を宣布した「訓民正音」とその「解例」、さらに「反対上疏文」、「東国正韻序」を加え、ハングル創製の原理・思想・背景の全てを明らかにする。
目次
『訓民正音』解例本(訓民正音;訓民正音解例)
崔万理等諺文対上疏文
東国正韻序
著者等紹介
趙義成[チョウイソン]
1964年東京都に生まれ、新潟市に育つ。東京外国語大学大学院修士課程修了。韓国・延世大学校文科大学国語国文学科大学院博士課程単位取得退学。現在、東京外国語大学大学院准教授。専攻、朝鮮語学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Koning
27
中華柵封体制とその周辺部で独自の文字を生み出す動きは朝鮮だけでなく西夏や女真もなんだけど、その中で蒙古のパスパの影響も受けアルファベット的28要素でもって諺文を作り出したあたりの公式発表というやつ。しかし、国王だけど殿下なのねとかそのあたりもおもしろかったり(え。2016/11/13
kozawa
2
訓民正音、15世紀の朝鮮語の実態と、当時のかの国の言語学水準も垣間見れてこれが面白い。2011/02/20
TSUYOSHI_K
0
朝鮮王朝第四代の世宗が、漢語とは異なる朝鮮民衆の言葉を表す文字(ハングル)を創製し、1443年に発布したという文書。ハングルは今、K-POPからの流れで若い人たちにとても人気がある。しかし当時は不評極まりなく、為政者側の学者にも非難された。漢字だけが唯一の文字だ、独自の文字をもつなんて自ら野蛮人(倭とか)の列に並ぶに等しい、と手厳しい。東洋文庫版には「訓民正音」の本文だけでなく、そんな批判も掲載してあり、発布当時の状況が伺い知れる。2021/03/22