内容説明
数ある論語の注釈書のなかでも、もっともポレミックな注釈書。古代学に深く潜心した徂徠が、一生の力を費やしてなった快著である。徂徠自身の哲学・言語学・文献学の薀蓄が惜しげもなくはきだされ、鮮やかな孔子像が蘇る。全2巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きさらぎ
3
<「席正ならざれば坐せず」これは斎時の礼の話か錯簡がある。「他人に適いて席正しからずんば坐せざれば、則ち君子は人たり難し、あに此の事あらん乎」><古へ学んで士と為るは、民より進む。民の学ばざるは、その常なり。故に君子はその学ばざるをもってして之を捨てず/唯だその愚の学ぶベからざるを言ふのみ。未だかつて善悪を以て之を言はず><先王の教へは礼楽のみ。言の益を為す事少なきなり、故に礼楽を以て之を教ふ>孟子・朱子・仁斎には多く批判的だが是とする場合も。何というか、徹頭徹尾徂徠だなあという感じ(苦笑)面白いけどね。2018/07/04
ろな
1
ハイレベルな漢文の本。朱子学に凝り固まっていた愚か者には、上巻の「攻異端」の箇所の解釈は衝撃的でした。全文書き下し文からなっていますし、朱子学の知識も必須ではないでしょうか?冨山房・漢文大系第1巻や、宇野哲人先生の『論語新釈』のような本で、朱子の注を読んでから読まないと意味が取れないと思います。僕自身、1/4?1/8?もわかったかどうかで書評を書いています(いいんだろうか?)。小川先生の解題も広汎な本に当たられていて凄かったです。学問に対する視野が広がりました。2013/07/05
tkm66
0
必要あって拾い読み。