内容説明
田沼期日本のもっとも面白い知識人の一人、画家司馬江漢が書き残してくれた、同時代の日本体験記。長崎出島潜入、捕鯨の島生月での見聞、往復道中の庶民生活など、愉快で皮肉で赤裸々なワンダーフォーゲルの紀行の傑作。自筆本を全挿図と共に忠実に翻刻。
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感想・レビュー
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Tatsuhiko
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田沼時代くらいに江戸から長崎までを旅行した才人の日記。江漢先生は神奈川あたりでウジウジ迷ったり、思い立ったが吉日といった感じで各地で気まぐれに出掛けたり、九州に渡る際には嵐の中で船を急かせて死にそうになったりと割とハチャメチャな印象を受けるが、それゆえに江戸時代に自分と同じように物を感じたり考えたりして生きた人間の姿が立体的に浮かび上がってくる。往復で1年くらいかけているが、帰りは船を使っているので歩きに比べるとずっとスピード感がある。こういった辺りでも江戸時代の感覚が分かって面白い2016/10/07