東洋文庫<br> 屍鬼二十五話 - インド伝奇集

  • ポイントキャンペーン

東洋文庫
屍鬼二十五話 - インド伝奇集

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 316p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582803235
  • NDC分類 929.8
  • Cコード C0198

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

syaori

79
インドの説話集。物語の発端は、王様が修行僧に、屍鬼のとりついた死骸を墓地から僧の所まで担いでくるよう乞われたこと。鬼は物語をして王様に謎をかけ、王様が口を開くと鬼は元の場所へ戻ってしまうという仕掛け。語られるのは、不思議な海中都市とそこに住む月光のような少女のための冒険や美女を巡る求婚者たち、実は三人の父を持つ王の数奇な出自について等の物語。それらは蠱惑的で時に驚異に満ちていて、その物語にまつわる謎かけに応えずにはいられないというものです。古代インドの人々の世界観や思考なども窺えてとても楽しい一冊でした。2022/07/06

九鳥

17
図書館本。王との追いかけっこの合間に屍鬼が語る、という体裁の物語集。聊斎志異もそうだけど、神と鬼と動物と人とが区別なく交わる昔話が大好物なのでとても楽しく読んだ。馴染みのなかったインドの考え方(カースト毎の振る舞いや外見、宗教心、美しさの基準など)が新鮮に感じられた。王の判断にはときどきびっくりしたよ。2009/05/16

芍薬

16
真夜中の墓地、道々背中に担いだ屍鬼の口から語られる物語というシチュエーションだけで魅力的です。どの国であっても王や神や鬼が出てくるお話は実に面白い!2013/03/21

藤月はな(灯れ松明の火)

16
勇敢で聡明な王が屍鬼の哲学・道徳の問答に応える。尚、もし、解けなければ頭が百に爆発してしまう。今や、薄れてしまった忠義や孝、宗教での女は堕落させると責任逃れの男尊女卑のような考えなどが反映されているので現在の視点から見ると疑問に思うこともある問答もあって納得がいきません。しかし、ストーテリングの上手さや幻想性は流石。トマス・マンの「すげ替えられた首」の元ネタも収録されています。ちなみに私は、20の問答が解けなかったので脳漿やシナプスのジュース状になっているかも・・・^_^;2013/01/14

麩之介

13
勇敢で賢いトリヴィクラマセーナ王(最後まで名前が覚えられなかった)が、修行僧に請われて墓地の樹に懸った死体を取りに行き、担いで帰ろうとすると、その死骸に憑いた屍鬼が物語を語り、謎をかける。王が謎を解くと、死骸はもとの樹に帰ってしまい、再び王が取りに行き、屍鬼が物語を語り……とこの繰り返しを読んでいると、なんだかインド音楽を聴いているような気分になる。それにしても面白い。これが挿話のひとつにすぎず、その挿話もまた挿話の中で語られるというのだから、大枠の『カター・サリット・サーガラ』ってどんだけ凄いんだろう。2017/11/01

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/82971
  • ご注意事項