感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
正坊
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神保町で買った古書を再読。18世紀末の寛政2年刊。奇人変人ではなく、何かに打ち込むあまり少し変わったところのある人という意味だろう。円空とか池大雅なんかや名もない庶民もいる。儒教的価値観真っ盛りの頃なので、主人の赤子をかばい山犬に喰い殺された子守の少女も載っている。坊さんの話はあまり面白くないが、伏見桃山にいた乞食のような男が、いつも近くの屋敷から本を借りて読んでいて、男が亡くなったときに立派な身なりの侍がその屋敷に挨拶に来たという話なんかが印象に残る。いやなニュースが続くときなんかに読みたくなる本だ。2022/08/04