感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
19
岩波文庫版は難解過ぎて、 腰が引けていたのが実情。 これはわかりやすいので借りてみた。 高校世界史で出てくる作品なので、 いつかは挑戦しておきたかった。 御史太夫曰く、 「商鞅は道を棄ててはかりごとを用い、 徳を廃して力を重んじ、法律をきびしくし、 刑罰を盛んに行ない、人民を虐待する ことをならわしとしました」(40頁)。 誰のための倫理、法律、刑罰なのか? 為政者のご都合ではないはずだ。 社会が安定するために必要なのである。 文学曰く、 「ひとりでも失職者がいたり、 2014/06/03
nori_y
4
紀元前81年、前漢の政府側代表(主に御史大夫・桑弘羊)vs知識人(儒者)の経済論争の記録。何ともお堅そうだが、読み物として意外に面白い。両者の主張は延々と平行線を辿っていて前進無しだけど。「儒者:今のやり方を改め徳を施せば万事解決します!」「桑大夫:昔は良かった昔は良かったと口先ばかりの奴らめ!具体的な提案をしろ!」(…)北方謙三の『史記-武帝記-』の桑弘羊が好きで、そもそも史実ではどんな人物だったのか興味が湧いたものの、残念ながら素人が読めそうな関連書が殆ど見当たらない。でも、この本は読みやすかった。2017/09/01