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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
9
発見された写本の話数は282だったが、ガランは表題から本来1001あると信じ、本書はその後増補を重ねたという(本書はカルカッタ第二版の邦訳)。一方ボルヘスは表題の「千一夜」に無限に一を足す無為と偶然という物語の創造力の本質を見出し、物語内に他の物語の入口を設け、複数の類似したバージョンが錯綜する本書の構造を重ねた。19話まで収録する本巻の物語は、自らの死を先送りさせようと意図する女性の口を借りて、魔法で他の生物になり変装で別の階級を装う登場人物達を、一つの生と一つの世界に閉じ込める死の有限性から解き放つ。2022/08/11
スイ
6
一度は通しで全て読もうかと、最も原典に近いと聞く東洋文庫版に手を出してみた。 詩の部分は私には正直読みにくいが、他の部分は思ったよりずっとすんなり読めて楽しめた。 物語がマトリョーシカ状になっているのも面白い。 各話のテイストが似ているので、ぶっ続けで読むとちょっと胸焼けしそうだけど…適度に間を置きつつ、完走を目指す。 全18巻だったかな…? 先は遠い…。2016/05/27
nightU。U*)。o○O
2
さすがに漠々たる遍歴の末編まれた書物だけあってものすげー面白い。枠物語となる王が妃に不貞されて……というのが有名だけれどシェヘラザードによるどの挿話とっても劣らぬ格別の旨み。解説によると一巻はフェアリー・テールが集中していたそうでジンやイフリートがわらわらでてくる。また、話ごとにでてくる数字に符号があって、3人の片目のつぶれた遊行僧が3人姉妹のもとへきたり、3人の長老が連れている動物がみんなもとは人間だったり、なにかと香味がある。松岡正剛のおすすめで選んだが、他のこてこてに古典らしい訳よりも読みやすい。2016/06/08
小瑠璃
2
夏だし、一度は読んでみようかしらと手に取りました。予想以上の大人っぽさというか、なんとまぁ艶っぽいこと。だけど、女性と一夜を共にしたあと、その人を次々殺してしまう王様相手に語ってるお話なわけですから、そんな人を飽きさせずに千夜話続けようと思ったら、そんな展開も必要ですよね。うん。枠物語構造の、その数と複雑さはアラベスクでも見ているようで、鮮やかだけど目が回りそう。2015/08/02
youxian♬*゜
1
1999/2/12~2/14 インドなどの神秘的な話を見聞してたら東洋人でよかったナと思う。〝神秘的”だから。千夜一夜物語を集めたいけどやっぱり高くなるよね・・・。1999/02/14