出版社内容情報
もっと遠くにまで届くはずだ――アウシュヴィッツの被収容者たちが命がけで撮影して送り届けた、たった四枚のフィルムの切れ端。そこには地獄のすべてが写っているのか。クロード・ランズマンやジャン=リュック・ゴダールとの対話を通じ、想像を絶する体験をそれでもなお想像するための微かな道を切り開く。
【目次】
1 イメージ、すべてに抗して
地獄からもぎ取られた四枚のフィルムの切れ端
想像不可能なものすべてに逆らって
歴史の目の只中で
似たもの、似ざるもの、生き残るもの
2 全体的なイメージに抗して
イメージ=事実あるいはイメージ=フェティッシュ
イメージ=アーカイヴあるいはイメージ=外観
イメージ=モンタージュあるいはイメージ=嘘
似ているイメージあるいは見せかけのイメージ
原注
訳注
初出に関する注記
訳者あとがき
平凡社ライブラリー版 訳者あとがき
解説 歴史の症候――希望としてのイメージ 田中純
索引