出版社内容情報
古代末期ラテン教父からスコラ学の中世をへて15世紀ルネサンスのフィチーノまで。理性、自己、創造論、言語と超越、知性と神秘など哲学史の基本問題を網羅する待望の論集。
内容説明
ギリシア哲学の遺産を継ぎ、キリスト教の息吹を承けて形成された“中世哲学”。一千年に及ぶその豊かな流れを、アウグスティヌス、ディオニュシオス・アレオパギテス、六世紀のボエティウス、十一‐十三世紀スコラ学のアンセルムス、サン=ヴィクトルのフーゴー、トマス・アクィナス、十五世紀のクザーヌス、フィチーノらを中心とする、おびただしい思考の輻輳の中に照らし出す。―理性の自己解明に深化する超越論哲学と、その理性を自己突破に導く否定神学の伝統を両輪とするリーゼンフーバー哲学の基柱、待望のセレクション!
目次
第1部 中世思想の構造(ラテン教父の思考様式と系譜;ラテン中世における教父神学の遺産;被造物としての自然―教父時代および中世における創造論;中世における自己認識の展開―近代思想の歴史的源泉をめぐって)
第2部 中世の思想家たち(ボエティウスの伝統―プラトン主義とアリストテレス論理学の中世への継承;信仰と理性―カンタベリーのアンセルムスにおける神認識の構造;サン=ヴィクトルのフーゴーにおける学問体系;人格の理性的自己形成―トマス・アクィナスの倫理学の存在論的・人間論的構造;知性論と神秘思想―十三・十四世紀スコラ学の問題設定 ほか)
著者等紹介
リーゼンフーバー,クラウス[リーゼンフーバー,クラウス] [Riesenhuber,Klaus]
1938‐2022。1938年、ドイツ、フランクフルトに生まれる。1958年にイエズス会に入会、1962年ベルヒマンス哲学院を修了後、ミュンヘン大学に学び、1967年にトマス・アクィナス研究で学位を取得(1971年公刊)。同年来日し、1969年に上智大学文学部専任講師に着任。1971年に司祭叙階。1974年に上智大学文学部助教授、同年より上智大学中世思想研究所所長を務める(‐2004年)。1981年上智大学文学部教授(‐2009年)。神学博士(上智大学 1898年)。数々の大学でも哲学の教鞭を執る。2022年歿
村井則夫[ムライノリオ]
1962年生。上智大学大学院哲学研究科博士後期課程満期修了。博士(哲学)。明星大学人文学部教授(2013‐17年)、中央大学文学部教授(2017‐22年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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