出版社内容情報
ことばと人間を信じ、少数者の側に身を置き続けた90年近い生涯。「詩人の魂」と「科学者の方法」により紡がれてきた古今東西、森羅万象にわたる著作の全軌跡を展望する。
内容説明
戦後日本を代表する国際的な知識人、加藤周一。その発想はどのようにして培われたのか。歴史のなかに現在を見出し、現在のなかに歴史を見つめる。日本の問題を世界的視野で捉え、あくまでも事実にこだわり、あやふやなものを信じない。人間の可能性を信じ、人間の可能性に賭けた加藤周一の思索と行動を丹念に読む。
目次
第1部 三つの出発(いくさの日々―または第一の出発;フランス留学三年―または第二の出発;ヴァンクーヴァーの一〇年―または第三の出発)
第2部 日本文学史と日本美術史(一九六八年―または「言葉と戦車」;変化と持続―または『日本文学史序説』;かたちに現れたる精神―または『日本 その心とかたち』 ほか)
第3部 日本人とは何か(文体と翻訳―またはことばと時代と人間と;時間と空間―または日本文化とは何か;加藤周一―または「理」の人にして「情」の人)
著者等紹介
鷲巣力[ワシズツトム]
1944年東京都生まれ。ジャーナリズム論、戦後思想史。東京大学法学部を卒業後、平凡社に入社、『林達夫著作集』や『加藤周一著作集』などの編集、『太陽』編集長を経て、取締役。退任後、立命館大学客員教授、同大学加藤周一現代思想研究センター長を経て、現在同研究センター顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Fumoh
1
加藤周一の活動歴、著作歴を解説していく本です。戦後から2000年代にかけて知を集約し、日本思想の発展を目ざしてきた加藤の功績を振りかえります。著者は『加藤周一著作集』の編集者です。この本は『加藤周一自選集』の巻末解説を大元にしており、そこに大幅に加筆されたものです。加藤の活動を振りかえっていくには、とても良い本だと言えるでしょう。内容は具体的な話が多く、加藤の活動した足跡がたどりやすくなっています。加藤の活動全体をまとめる学術的視点というと、こちらはちょっと期待できないでしょう。2023/12/05
ご〜ちゃん
1
この本を読んで、加藤周一さんの文章をまた読み直したいと思った。2023/11/23