出版社内容情報
ゴシック美術に跳梁する異形異類、繁茂する動植物文、マンダラ──古代と東方の珍奇なイメージの絶えざる越境と異種交配を空前のスケールで描いた綺想の図像学、待望の復刊。
内容説明
中世ゴシック美術に跳梁する異形異類、鬼神、誘惑の図、死の舞踏、マンダラ―古代と東方の珍奇なイメージ群の絶えざる越境と異種交配を一八〇余点の図版とともに、無類の学識と才筆をもって跡づける。空前のスケールの綺想の図像学、待望の合本復刊。
目次
第1章 ゴシックのグリロス
第2章 印章と古銭の奇想
第3章 イスラームのオーナメントと装飾枠
第4章 幻想的アラベスク
第5章 蝙蝠の翼手と中国の鬼神
第6章 東アジアの驚異
第7章 大いなる仏教的主題
第8章 東洋の蓮華アーチ
著者等紹介
バルトルシャイティス,J.[バルトルシャイティス,J.] [Baltru〓saitis,Jurgis]
1903‐88。リトアニア出身、フランスの美術史家。同名の父(1873‐1944)は高名な外交官・詩人、義父はH.フォション。神秘学から光学に及ぶ博識と才筆に支えられた著作には、ヴァールブルク学派と共通する問題意識が見られる
西野嘉章[ニシノヨシアキ]
1952年生。東京大学名誉教授、博士(文学)。2015年仏国レジョン・ドヌール勲章シュヴァリエ受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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読書という航海の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
春ドーナツ
14
「名画を見る眼」もそうだけれど、今回も復刻されなかったら、このすごい本を知ることもなかっただろう。荒俣宏さんの解説から引用する。「古典の権威とアカデミーの専門用語とによって語り尽くす論述」を忠実に日本語に置き換えていて、あまつさえ図版が章の終わりに一括掲載、平凡社の方針なのか、翻訳者のこだわりなのか、難解な漢字の振り仮名率が零に近いので難渋した。それを補って余りある驚きの連続が相殺しているとは思う。ゴシックの意味を調べると、幻想的・怪奇的という意味が付与されているのね。前脚のない四足獣、ワクワク樹、無頭神2023/07/01
いとう・しんご
7
ブルーメンベルクきっかけ。内容は中世西欧美術は「ヘレニズム的古代、ついでイスラームが、そしてそのすぐ後に東アジアが介入」した結果、それら地域の美術や意匠が影響している、と言う話。188点の図版はいずれも興味深く、図書館で立ち読みするだけでも楽しいと思います。ただ、美術工芸の用語に疎いこともあり、また、内容がマニアックなせいもあって、あんまり身の入らない読書になりました。2023/08/10
中島直人
3
(図書館)とにかく著者の知見の広さ深さに圧倒される。凄い本。2023/11/19
むすび
0
ゴドウィン『キルヒャーの世界図鑑』で思い出して積読から発掘。美術も世界史もまるで知識が追いつかないながら、明晰な論述と豊富な図版で楽しめた。人と物の絶え間ない越境、美術の古今の流行りと東西の異種交配で生まれた異形のスリル。現実離れという点ではシュルレアリスムが似ているのかも。歴史、文学、宗教、民俗と幅広い背景をすっきりと語ってくれるあたりとても好み。いつか他の著作も読めそう。 『妖精幻想詩画帖』1巻の妖精画、空からやってくる妖精が風にふくらむ領巾を纏っているのを見て本書を思い返した。まるで天女の来迎図。2025/03/15
horada
0
***2024/03/29
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