出版社内容情報
ハングルの仕組みを〈言語学的〉に、そしてその成り立ちを〈歴史〉から見ていくことで、ハングルの合理性、秘められた可能性を探っていく。韓国でもロングセラー!
15世紀朝鮮王朝にハングルは誕生した。
人々は朝鮮語を話すのに、知識人たちは漢字・漢文で書く──。
名を得るのも、思想を語るのも、法を作るのも、詩を詠むのも、
ありとあらゆる知は、母語ではない、漢字・漢文の中にあった。
国王・世宗は文字を創製し、若き同志たちがこれを共にした。
文字が生まれると、何が起こるのか? 人は文字をいかに生きるのか?
私たちはハングルを見ることによって、人間の文字の原初を知り、
〈話されたことば〉と〈書かれたことば〉の豊饒なる流転、
そして言語のおおいなる希望を知る。
定評のある新書版に、最新の内容を100頁近く増補。充実の新版!
■目次
序章 ハングルの素描
1 ハングルの仕組み
2 『訓民正音』という書物
第1章 ハングルと言語をめぐって
1 ハングルの名
2 朝鮮語=韓国語の世界
3 ことばと文字
……
第2章 〈正音〉誕生の磁場
1 文字を〈創る〉──漢字の磁場から
2 自己増殖装置としての漢字
3 〈訓読〉の仕掛け
……
第3章 〈正音〉の仕掛け
1 文字を〈創る〉──空気の揺らぎから〈音(おん)〉を切り出す
2 〈音(おん)〉から〈かたち〉へ
3 単音=音節文字システムの創出
……
第4章 〈正音〉エクリチュール革命──ハングルの誕生
1 〈正音〉革命派と漢字漢文原理主義との闘い
2 〈用音合字〉の思想──〈知〉の原子を問う
3 〈正音〉よ、生きとし生けるものの〈こゑ〉を聞け
……
第5章 〈正音〉エクリチュールの創出
1 〈正音〉よ、音を統べむ──『東國正韻』
2 〈正音〉よ、三千世界を照らせ──儒仏道のみち
3 〈正音〉よ、天地宇宙を学べ──『千字文』
……
第6章 〈正音〉──ゲシュタルト(かたち)の変革
1 〈かたち〉とは何か
2 正音の形と〈かたち〉
3 身体性を得た正音の美〈宮体〉
第7章 〈正音〉から〈ハングル〉へ
1 闘う〈正音〉、たたかう〈ハングル〉
2 再びゲシュタルトを問う──近代から現代へ
3 飛翔する二一世紀ハングル
終章 普遍への契機としての〈訓民正音〉
『訓民正音』を読むというできごと
文献案内
解説──アポロ的知性とディオニュソス的感性の結実 辻野裕紀
文献一覧
作品索引
人名索引
関連用語・事項索引
内容説明
一五世紀朝鮮王朝にハングルは誕生した。人々は朝鮮語を話すのに、知識人たちは漢字・漢文で書く―。名を得るのも、思想を語るのも、法を作るのも、詩を詠むのも、ありとあらゆる知は、母語ではない、漢字・漢文の中にあった。国王・世宗は文字を創製し、若き同志たちがこれを共にした。文字が生まれると、何が起こるのか?人は文字をいかに生きるのか?私たちはハングルを見ることによって、人間の文字の原初を知り、“話されたことば”と“書かれたことば”の豊饒なる流転、そして言語の巨いなる希望を知る。第22回アジア・太平洋賞大賞受賞。
目次
序章 ハングルの素描
第1章 ハングルと言語をめぐって
第2章 “正音”誕生の磁場
第3章 “正音”の仕掛け
第4章 “正音”エクリチュール革命―ハングルの誕生
第5章 “正音”エクリチュールの創出
第6章 “正音”―ゲシュタルト(かたち)の変革
第7章 “正音”から“ハングル”へ
終章 普遍への契機としての“訓民正音”
著者等紹介
野間秀樹[ノマヒデキ]
言語学者、美術家。東京外国語大学大学院教授、ソウル大学校韓国文化研究所特別研究員、国際教養大学客員教授、明治学院大学客員教授・特命教授などを歴任。一般言語学、朝鮮言語学、日韓対照言語学、韓国語教育を中心に、音論、語彙論、文法論や言語存在論などの論著がある。著書、韓国語『語彙と文法の相関構造』(ソウル、太学社、大韓民国学術院優秀学術図書に選定)などがある。2005年大韓民国文化褒章受章。12年周時経学術賞(韓国)、14年パピルス賞受賞。『ハングルの誕生―人間にとって文字とは何か』で第22回アジア・太平洋賞大賞受賞。韓国=朝鮮と日本、双方の血を嗣ぐ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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