出版社内容情報
京都で開かれた伝説の連続講話。第2巻は宗教・祭祀・国家・法・戦争がテーマの5講話を収録。ライブ感溢れる文字学入門。
白川 静[シラカワ シズカ]
著・文・その他
内容説明
漢字の新たな体系を打ち立て、『字統』『字訓』『字通』の三部の字書を著した著者による二十回の連続講演。九十歳を超えた著者自らが、毎回、全身を使って古代文字を書き示し、力強く語った普遍的なテーマは、老若男女、多くの人々を魅了した。古代中国から現代日本へ―時空を超え漢字文化圏の過去と未来を見晴るかす白熱講座。
目次
第6話 原始の宗教
第7話 祭祀について
第8話 国家と社会
第9話 原始法について
第10話 戦争について
著者等紹介
白川静[シラカワシズカ]
1910年、福井県福井市に洋服商の次男として生まれる。小学校卒業後、大阪の法律事務所に住み込みで働きながら夜学へ通う。35年、立命館中学教諭となる。43年、立命館大学法文学部漢文学科卒業、同大学予科の教授となり、54年、同大学文学部教授。81年、立命館大学名誉教授。84年「字統」を刊行、毎日出版文化賞特別賞受賞。91年菊池寛賞、96年度朝日賞受賞。98年文化功労者として顕彰され、99年勲二等瑞宝章を受く。2001年井上靖文化賞受賞、04年11月、文化勲章受章。2006年10月没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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(haro-n)
73
甲骨文や金文を始めとする膨大な資料から、漢字源を探る研究をしてきた白川静の講演をもとにした本。示偏は祭壇の形を表し、祟は祭壇上に犠牲の獣を置いているところ。また、こざと偏は、神様が降りてくる階梯の形をしているのだそうです。こざと偏は音の類似から字源を追究した研究では、積み重なった土(丘?)を表し、漢和辞典でもこちらの説明が取られています。しかし、本書のこざと(阜)系の字形を集めた資料を見ていると、丘というより確かに梯子のように思えます。または旗かな?字形を眺めていると色々な想像が出来て面白かったです。↓2018/07/22
roughfractus02
9
フェニキア語で牛の頭を指すAlephがαとなり家を指すBethがβとなるには、地中海交易とカルタゴの興隆が条件だったという。多言語間の人的交流を背景に、西洋の文字はそれ以前に祭祀階級が独占したエジプト等の象形文字も交易する人々の声に変換可能な少数の音素に還元される。東洋の沿岸地域で興った文字は、この過程が漢字圏内で進行する。祭祀階級の象形・指事・会意から帝国の形声への転換は、逆に文字記号を増大させる。この転換に注視する著者は、現代の京都の祭りにも、日本を超え、自然と交流していた漢字圏の祭祀の痕跡を見出す。2021/01/03
南北
1
白川静の文字学を知るのに適した1冊。1年に4回行った講演記録です。余談ですが、満州事変に言及しているところで、事実誤認があるなぁと感じました。2017/04/21
Keiichi Momoi
0
6.原始の宗教 7.祭祀について 8.国家と社会 9.原始法について 10.戦争について2018/05/23