出版社内容情報
『笑い』と『不気味なもの』は「反復」という現象を対象にして出会い分岐する。二つの論考を接続するとき、新たな読みが召喚される。
内容説明
反復される動作や事態、人形のような人間や人間のような人形…同じ事柄について語りながら、哲学者と精神科医は別の方向に進む。滑稽なものと笑いへ/不気味なものと狂気のほうへ。離れていくと見える二つの思考は、じつは深みで交差する。ジリボンの論文を補助線に二つの思考をつがえるとき、現れてくる新たな読みの地平。的確な新訳で。
目次
笑い―おかしさの意義についての試論(アンリ・ベルクソン)(おかしさ一般について形のおかしさと動きのおかしさおかしさの伝播力;状態のおかしさと言葉のおかしさ;性格のおかしさ)
不気味なもの(ジークムント・フロイト)
不気味な笑い(ジャン=リュック・ジリボン)(夢と笑いの隠れた照応;ベルクソンの方法;びっくり箱、あやつり人形、雪だるま;狂気との関係;モリエール、越境する喜劇;滑稽さと不気味さ;滑稽さとナンセンス;「粋」という補助線;ベイトソンの視角;カフカ的宇宙、そして;フロイトの「不気味なもの」;二重化と一体化;笑いという生の領域)
著者等紹介
ベルクソン,アンリ[ベルクソン,アンリ] [Bergson,Henri]
1859‐1941。19世紀末から20世紀前半のフランスを代表する哲学者
フロイト,ジークムント[フロイト,ジークムント] [Freud,Sigmund]
1856‐1939。オーストリアの精神医学者。精神分析学の創始者
原章二[ハラショウジ]
1946年、静岡県生まれ。パリ大学博士(哲学)。現在、早稲田大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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