出版社内容情報
ワーグナー研究の第一人者がこの巨大な芸術家の生涯を適確な視点を設定して興味深く語り、合わせていくつかのトピックを解説することで、その全体像を見事に彫琢する。元本を大幅増補。
内容説明
“祝祭劇”をつくりあげた総合芸術家の生涯を、その全貌を、多角的な視点から描き出す。旧版を大幅に増補、新編集。ワーグナーを知る最良の書。
目次
ワーグナーの生涯(綜合芸術の揺籃;裏街道へ;パリ―十九世紀の首都;ドレスデン―宮廷指揮者;革命と革命劇 ほか)
トリープシェン―愛の牧歌
ワーグナーから世紀末へ(「パリ」の意味するもの;「ハンドルング」としての『トリスタンとイゾルデ』;同化の悲劇;「俺は叔母をブッ殺した」;「宿命の女」としてのサロメ)
著者等紹介
三光長治[サンコウナガハル]
1928年、広島県生まれ。京都大学文学部卒業。埼玉大学名誉教授。ドイツ文学者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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bliblablo
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ワーグナー関連の書籍では、三光長治先生の文章が格調が高く好きである。内容は、ワーグナーの生い立ちから死までをダイジェストで綴ったもの。最後にいくつかの用語についての説明が載っている。2015/12/31
みあすま
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ドイツの文化を語る上ではゲーテに次いで欠くことのできない偉人であるワーグナー……なのだが、如何せん私は音楽に疎く、彼のことを避けてきた。しかしまずは伝記的なものからでも触れなければ、と思い読んでみた。文章自体は読みやすいのだけれど、完全時系列に沿っているわけではなく、記述が些か重複するような部分もあった。個人的には彼の反ユダヤ的態度が、自分の出生への不信感から導かれた自己嫌悪の面も含んでいるのではないか、という点が興味深かった。ワーグナー、カフカ、ヴァイニンガーを結ぶような線もあるのかもしれない。2015/12/09