出版社内容情報
江戸期の政治秩序を支えたのは朱子学ではない、「太平記読み」の思想である!――忘れられた大流行の注釈書『太平記秘伝理尽鈔』に着目し、近世思想史の流れを付け替えた傑作。解説=川平敏文
内容説明
江戸前期、大名らに『太平記』を講釈する者たちのタネ本は出版されるやベストセラーとなり、その主張は、武家や思想家のみならず、民衆レベルにまで浸透した。楠正成を理想的な為政者=仁君に仕立て上げ、戦国の衣を脱いだ大名たちに統治のマニュアルを、民衆たちに修身斉家の指針を与え、共通の政治常識を涵養した『太平記秘伝理尽鈔』の思想こそ、江戸の秩序の根幹である!―大胆かつ綿密な論理と実証によって、近世史、思想史の通念を一新した画期的論考。
目次
「太平記読み」研究序説―近世初期における「国家」と「仏法」
第1部 「太平記読み」と近世の政治思想(近世初期における楠正成像の転換;「太平記読み」の忠と佐藤直方;「太平記読み」における政治と学問)
第2部 「太平記読み」と領主層の思想―幕藩領主の思想史的研究序説(金沢藩制の確立と「太平記読み」;岡山藩制の確立と「太平記読み」;池田光政の思想形成と「太平記読み」)
第3部 「太平記読み」と民衆の政治意識―「太平記読み」を軸とした政治思想史(幕藩制の確立と民衆の政治意識)
「太平記読み」から安藤昌益へ
著者等紹介
若尾政希[ワカオマサキ]
1961年、岐阜県生まれ。東北大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、一橋大学教授。専攻、日本近世史・思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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