内容説明
文献史料が沈黙する空白を破って、発掘された遺物や遺構が、見慣れぬ歴史世界を鮮やかに示す。三人の中世史家は胸躍らせて、未踏の問題領域を、その巨大さを議論しあう。埋められた銭の不思議さ、列島の枠を超えて異域と通じ合う北の世界の意想外の豊かさ、鉄の技術とかかわる地域と文化の変容の深さ―都市、交通、富、遍歴…、多様な問いをえぐりだすいまなお先鋭な問題提起の書。
目次
1 銭―経済・権力・「富」(銭百文は何枚か;なぜ埋められたか ほか)
2 北―海・交通・「日本」(北方世界と「日本」;北への視角 ほか)
3 鉄―技術・遍歴・「東と西」(製鉄の東と西;中世の「平民製鉄」 ほか)
4 歴史学と考古学(文献に出ない世界へ;科学史・技術史・考古学との共同 ほか)
著者等紹介
網野善彦[アミノヨシヒコ]
1928年生まれ。東京大学文学部卒業。専攻、日本中世史。名古屋大学助教授、神奈川大学短期大学部教授などを務めた。2004年没
石井進[イシイススム]
1931年生まれ。東京大学文学部卒業。専攻、日本中世史。東京大学教授、国立歴史民俗博物館館長などを務めた。2001年没
福田豊彦[フクダトヨヒコ]
1928年生まれ。北海道大学文学部卒業。専攻、日本中世史。東京工業大学教授、国立歴史民俗博物館教授などを務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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