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平凡社ライブラリー
沈黙の中世

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  • サイズ 文庫判/ページ数 261p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784582767346
  • NDC分類 210.4
  • Cコード C0321

内容説明

文献史料が沈黙する空白を破って、発掘された遺物や遺構が、見慣れぬ歴史世界を鮮やかに示す。三人の中世史家は胸躍らせて、未踏の問題領域を、その巨大さを議論しあう。埋められた銭の不思議さ、列島の枠を超えて異域と通じ合う北の世界の意想外の豊かさ、鉄の技術とかかわる地域と文化の変容の深さ―都市、交通、富、遍歴…、多様な問いをえぐりだすいまなお先鋭な問題提起の書。

目次

1 銭―経済・権力・「富」(銭百文は何枚か;なぜ埋められたか ほか)
2 北―海・交通・「日本」(北方世界と「日本」;北への視角 ほか)
3 鉄―技術・遍歴・「東と西」(製鉄の東と西;中世の「平民製鉄」 ほか)
4 歴史学と考古学(文献に出ない世界へ;科学史・技術史・考古学との共同 ほか)

著者等紹介

網野善彦[アミノヨシヒコ]
1928年生まれ。東京大学文学部卒業。専攻、日本中世史。名古屋大学助教授、神奈川大学短期大学部教授などを務めた。2004年没

石井進[イシイススム]
1931年生まれ。東京大学文学部卒業。専攻、日本中世史。東京大学教授、国立歴史民俗博物館館長などを務めた。2001年没

福田豊彦[フクダトヨヒコ]
1928年生まれ。北海道大学文学部卒業。専攻、日本中世史。東京工業大学教授、国立歴史民俗博物館教授などを務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぽんくまそ

12
日本中世史を専攻する学者3人が1988~89年におこなった鼎談をまとめた本で、当時の知的興奮が伝わる。函館に住むぼくにとって身近なシノリ舘と近くから出土した37万枚の古銭が冒頭に出てくる。大きく扱われている上ノ国町の夷王山と勝山館や花沢舘・洲崎舘も、津軽の浪岡城跡も、十三湊のあったところも、ぼくがバイクで訪れたことのある所ばかりだ。つまり日本の中でも東北方向に重心を置いた内容なので注意。文献に記録されていない物流を発掘品は事実として突きつけるが、真相は教えてくれない。沈黙に挑戦するロマンの予感である。2021/10/24

アメヲトコ

1
シリーズ『よみがえる中世』(平凡社)監修者による鼎談をまとめたもの。中世考古学が、文献史料だけではわからないどれだけ豊かな世界像を提示してくれるかが伝わってきます。2014/05/02

草津仁秋斗

0
日本中世史家たちが考古学的視点から日本の中世を考えた座談会。中世の北海道像など、新しい発見がたくさんあって、読んでいて非常に面白かった。2013/12/14

笛吹岬

0
(引用)人民だっていつも支配者にだまされている愚か者ではない。それなりに狡知を持っているし、支配者だって支配するためにはそれに打ち勝つだけの狡知を持たなければならない。だから熱心に人民 の習俗を取り入れようとする。2011/04/22

いちはじめ

0
鼎談。一人は網野善彦とは気心の知れた盟友ともいうべき石井進なので、話ははずむが、福田豊彦はちょっと浮いているか。2011/04/27

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