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平凡社ライブラリー
オーウェル評論集〈2〉水晶の精神 (新装版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 324p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784582766882
  • NDC分類 934
  • Cコード C0398

内容説明

テーマは“政治と言語”。直截簡明な言葉で明確に考えよ、それが政治の革新の第一歩だ、と主張した「政治と英語」をはじめ、「ナショナリズム覚え書き」「文学の禁圧」など、いかなる権力や爆弾によっても砕くことのできぬ“水晶の精神”をもって全体主義を批判し、言論の自由を擁護したエッセイ十五篇。

目次

政治と英語
ナショナリズム覚え書き
文学の禁圧
作家とリヴァイアサン
ウェルズ・ヒトラー・世界国家
詩とマイクロフォン
聖職者の特権―サルバドル・ダリ覚え書き
リア王・トルストイ・道化
ガンジーについての感想
ジェイムズ・バーナムと管理革命
復讐の味は苦い
書評―E・I・ザミャーチン著『われら』
書評―オスカー・ワイルド著『社会主義化の人間の魂』
書評―オズバート・シットウェル著『大いなる夜明け』
書評―ウィンストン・チャーチル著『最良の時』

著者等紹介

オーウェル,ジョージ[オーウェル,ジョージ][Orwell,George]
1903‐1950。イギリスの作家・ジャーナリスト。本名エリック・アーサー・ブレア。阿片局勤務の官吏を父としてインドに生まれ、1904年以後イギリスで育つ。奨学金を得てイートン校を卒業。大学には進学せず、1922年に大英帝国の警察官としてビルマに赴任したが、植民地支配の実態を嫌悪して5年後に辞職。パリで放浪生活した後、帰英。教師や本屋勤めをしながら、『パリ・ロンドン放浪記』(1933年、岩波文庫)などを発表。1941年‐43年、BBCに勤務し、その後『トリビューン』誌の文芸欄編集長を務める

川端康雄[カワバタヤスオ]
1955年、横浜生まれ。日本女子大学文学部教授。英文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

em

16
所々疑問符がつくのはご愛嬌。トルストイ、ダリ、ワイルド等の評論も面白いのですが、前半の言語、政治についての論説はとくに読み応えがあります。固有名詞を変えれば現代にも当てはまるのは歴史によくあること、とはいえ余りにも、嫌気がさすほど今日的。煽り方も当然のごとく上手なので、つい熱を持って同調してしまい、その後がっくり。人は歴史に何も学ばない。私のような者ではなく、今これを読むべき人が沢山いるはず…という虚しい思いに駆られてしまいました。2017/09/27

春ドーナツ

13
第二巻のテーマは「政治と言語」。私は2009年に出た新装版を読んでいる。元々1995年に刊行されたものらしい。1995年。私達にとって忘れられない年だったと個人的に思う。解説で冒頭「彼の作品は、(中略)ポスト冷戦の中で、今なお我々に語りかける何かを持っているだろうか」と問う。一方、「ポスト冷戦」という言葉には隔世の感を覚える。本書でオーウェル氏本領発揮の政治評論を初めて読んだのだけれど、今こそ耳をすまして、考えてみなければならない同時代性を持っていると私は思った。根本は時間の経過によって風化されないのだ。2023/07/05

masabi

10
【概要】全体主義、ナショナリズム批判、書評を収録する。【感想】具体から離れた抽象的な言葉を捏ねくり回す言葉遣いへの批判は明晰な思考と明確な言葉が一体のものだする信念から生まれる。文章自体が悪文であるだけでなく、抽象的な言葉を操作して現実が見えなくなるのは筆者が批判する全体主義やナショナリズムの第一歩である。本書ではナショナリズムは広く使われ党派性に近い。何か言っているようで何も言っていない言葉は現代でも見られるが、意図して言葉を選んでいるのか言葉と同じく思考も粗雑になっているのか気になるところだ。2022/06/11

へこきむし

10
政治と言語に関するエッセイ集。詩は、朗読されることで初めて益するという可能性を突いた「詩とマイクロフォン」、サルバドル・ダリ覚書「聖職者の特権」(ダリの自伝「生涯」の書評)が面白かった。彼の絵画は、チューダー朝の影響が強いと看破している。子供の頃、人生で初めて購入した画集がダリだったが、今は見る気も起こらない。作為を感じるからか? しかし、中学生の美術教科書の中では、ダリが一番インパクトあったなぁ。2014/01/12

ガリポリ

3
ナショナリズム覚え書きで「党派に自己を埋没させた人間は、その党派が敵を打ち負かしていると感じるためには平気で論理的矛盾を受け入れる。そのくせその党派(ナショナリズム、共産主義、平和主義など)に万人の認める定義などなく、その党派の構成員が忠誠を誓う単位が実在するかどうかすら定かではない」と書く。これは第二次大戦後について書かれたエッセイであるが、現代のネット言論にもそのまま当てはまると言える。政治的なエッセイは社会情勢の変化によってすぐに古びれてしまうことが多いが著者の場合はそれが無いように思える2015/01/13

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