平凡社ライブラリー
技術屋(エンジニア)の心眼

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 331p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784582766677
  • NDC分類 504
  • Cコード C0350

内容説明

目で見、匂いを嗅ぎ、触り、持ち上げ、落とす…私たちは肉体的感覚の相互作用を通して物を知る。その経験の元締めが心眼(マインズ・アイ)であり、思い起こされた現実と思い描く工夫のイメージの座、信じられないほどの能力をもつ不思議な器官である。科学と技術の歴史のなかにその働きをたどり、現場軽視と数式・計算偏重の現状に警鐘を鳴らし、モノヅクリの根本について再考を促す。

目次

第1章 工学における設計の特質
第2章 心眼
第3章 近代工学の起源
第4章 図像化の道具
第5章 技術の知識の発展と普及
第6章 技術者の養成
第7章 見込みと現実のギャップ

著者等紹介

ファーガソン,E.S.[ファーガソン,E.S.][Ferguson,Eugene S.]
1916‐2004。アメリカの技術史家。1937年カーネギー工科大学卒業。エンジニアとして産業界で働いたのち、アイオワ州立大学、デラウェア大学で技術史、歴史を教えた。Society for the History of Technology創立メンバー

藤原良樹[フジワラヨシキ]
1935年生まれ。大阪大学大学院工学研究科機械工学専攻修士課程修了。工学博士。姫路工業大学教授を務めた。専攻、水力学・流体工学。1998年没

砂田久吉[スナダヒサキチ]
1935年生まれ。大阪大学大学院工学研究科精密工学専攻修士課程修了。工学博士。兵庫県立大学名誉教授。専攻、材料強度学・材料学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アナクマ

40
「宇宙飛行士を月に送ったのは科学ではない。熟練した技術だ」にしびれる。◉主に2・6・7章。技術者にとって、科学や数学よりも重要なものは、さまざまな感覚的情報を集積し相互に関連づける経験を通じて養う心眼(=健全な判断と適合性や妥当性に対する直感)である。しかし重視されているだろうか、と。◉ 心眼という、言語に拠ることが難しい奥義について本書が十分に説明できているかどうかはひとまず措く(自動運転車の黎明期チャレンジに対する批判的目線なども)。だが、傾聴したい問題提起だ。再読必至。2019/02/11

中年サラリーマン

14
理論だけではなく直感も大事よ!という技術屋に向けたメッセージ本。実際の現場では直感先行だよね。まず現物確認!すると直感が働く。その直感を他者に説明するために論理的思考能力で肉付けしていく、ということを実際ではどの現場の技術者でもやっていることではないだろうか。2013/09/29

やっさん

9
「心眼」というワードは"Mind's Eye"を訳したもの。産業革命以前の設計者は技術者であり芸術家だった。時を経るにつれ設計者と技術者は分離され、工業科学と純粋科学も分離され、技術者を下に見る傾向が強くなったことに警鐘を鳴らした1冊。欧米でこのような本が出たのが意外に思った。2019/04/25

eucalmelon

4
数値解析で検証することは必要なことだとは思っていたが、それだけではだめなのだと改めて認識した。思い当たることはそこそこある。ボヤッと感じていた事を明確に示されたという感じがする。科学と技術は違うという記事を見たことがあるがその時はその拘りがよくわからなかった。ここで説明を受けたような気がする。読んでよかったと思う。2017/03/17

au-lab

2
「技術」と「科学」の関係について改めて考えさせられる。本来技術は暗黙知的なものであり、形式化できない残余があるということは、直観的にはわかっているはずなのに、「科学」や「論理」的思考の枠組みに囚われた近代社会の「個人」は、論理が先行するかのように錯誤してしまう。職人気質の古い発想のようでいて、ある意味素朴なポストモダン的な発想でもある。デジタルメディアの時代の「デザイン」に、この「心眼」をどう捉えるべきか、改めて考えてみたい。2016/08/18

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/156217
  • ご注意事項

最近チェックした商品