内容説明
学識と遊戯性に満ちた特異なエロティスム論。バハオーフェンの母権論の紹介を導入に、スエトニウスの『ローマ皇帝伝』やアウグスティヌスの『神の国』に見られる異教的祭礼に関する記述に拠りながら、古代ローマの頽廃ぶりを、神話的世界が見世物的世界に転じてゆく過程として素描する。作者の想像的世界の自註とも読める奇書。「フレデリック・トネールのユディット像」を併録。
目次
古代ローマの女たち(バハオーフェンによる「母権論」の概略;タナクゥイル像のアフロディテ的象徴と標章;セルウィウス神話における女神フォルトゥナのアフロディテ的役割;アッカ・ラレンティア崇拝とその神話;フローラ祭と見世物;偶像および男女神の見世物的性質;祭祀からの神々の解放としての神話;見世物とローマ的エロティスムの悪意)
付録 フレデリック・トネールのユディット像
著者等紹介
クロソフスキー,ピエール[クロソフスキー,ピエール][Klossowski,Pierre]
1905‐2001。父エーリッヒ、母バラディーヌともに画家。20世紀フランスを代表する画家バルテュスは3歳年下の弟である。母がリルケと親しく交際していたこともあり、その関係から若くしてジッドの庇護を受ける。40歳を過ぎて小説『ロベルトは今夜』を発表。以後、『ナントの勅令破棄』『プロンプター』などの作品を書き継ぎ、三部作「歓待の掟」として集大成。これに材を得て、デッサンと絵画を描きはじめ、さらにはピエール・ズッカと共同で映画を製作。またウェルギリウス、ニーチェなどのすぐれた仏訳者でもある
千葉文夫[チバフミオ]
1949年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程中退。パリ第1大学哲学博士。早稲田大学文学学術院教授。専攻はフランス文学・美学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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∃.狂茶党
in medio tutissimus ibis.
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