内容説明
演劇の革命を唱えた実験劇三部作「盲人書簡」「疫病流行記」「阿呆船」を始め、一九七〇年代後期に欧米主要都市で上演され世界にテラヤマの名を知らしめた「奴婢訓」など、演劇実験室「天井桟敷」の中・後期を代表する七作の戯曲を収録。呪術的・幻想的な作劇を通して、人間の内面の解体、理性への問い、権力と支配のパロディなど、後期の寺山修司が追求した主題が浮き彫りにされる。
著者等紹介
寺山修司[テラヤマシュウジ]
1935年、青森県生まれ。劇作家、演出家、詩人、映画作家。早稲田大学国文学科中退。1960~70年代を中心に短歌、俳句、詩、戯曲、映画、評論など幅広い領域で活動。67年から死の直前まで演劇実験室「天井桟敷」を主宰。1983年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Roti
1
演劇のリアルさ、五感で鑑賞する臨場感というものが、やはり活字で伝えるのは無理がある。テキストとして読むしかない。逆に演技者を初め、劇を創作する人々や観客が一体になって、ある空間を作り上げることの凄さを痛感する。寺山修司は見世物をオーディエンスに伝える文化の継承者であり、稀代のエンターテイナーであると思う。エロ・グロ・ナンセンスとは人間や生命への賛歌だと感じさせられる。2013/12/24
胡瓜夫人
0
台詞回しがエッジィで読みながらニヤニヤしてしまった。戯曲はいいな。2016/04/27
みゃみょ
0
疫病流行記観劇の予習として読んだが、どの話も素晴らしい。テキストでしかないからこそ、自身の寺山、J・A・シーザー、天井桟敷に関する知識、経験を基に頭の中で劇が構築される。寺山本人による解題も興味深い。2014/12/12
yzw
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読んでから観るもよし、観てから読むもよし。読むだけではダメだぞ。2014/02/24
しい
0
「レミング」を観劇するのでその予習に。こういうのを幻想劇というのか、読んでて筋書きのないおかしな話ばかり。配役想像しながら読んだけど途中からわからなくなった。「地球空洞説」に金田一が出てきたり、「盲人書簡」に明智と小林少年と黒蜥蜴、あげくに犬神博士が出てきたのはとても私好みだった。意外だったのは「身毒丸」ってもっと筋のしっかりした母子のドロドロ話だと思っていたけどこんなにわからない話だったこと。一冊通して、舞台の上で観たかったなと思った。「身毒丸」はDVDで観たい。2013/04/16
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