内容説明
森下雨村は探偵小説の世界では江戸川乱歩を世に送りだした『新青年』初代編集長として知られている。また釣師、釣り本マニアには戦後釣り文学の最高傑作の一冊として評価の高い『猿猴 川に死す』の著書として語りつがれている。井伏鱒二、開高健の作品とともに本書は戦後釣り文学の至高の宝として残るものである。
目次
猿猴 川に死す
大漁不満
鎌井田の瀬
面河行
とおい昔
少年の日
種田先生
園さんと狸
うなぎと遊ぶ
不具の蟹
はぜ釣り婆さん
博労の宿
泰平の世
友釣りの師
手箱山の仙人
釣運
もの言わぬ人
八畳の滝
天国地獄
柳の瀬
著者等紹介
森下雨村[モリシタウソン]
本名岩太郎。1890年、高知県高岡郡佐川町生まれ。早稲田大学英文科卒業。新聞記者を経て博文館に入社。1920年『新青年』創刊と共に編集長となる。31年同社編集局長を辞任し文筆生活に専念。海外探偵小説の紹介と新人の育成に努力し、わが国の探偵小説の発展に大きく寄与した。40年郷里佐川町に帰農、65年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yamazaru
1
園さんと狸、泊労の宿、もの言わぬ人、八畳の滝、もちろん、猿猴川に死す。どれを読んでも作者の優しさが伺われる本です。僕には難しい漢字とか使われてたりして読みにくい部分もありますが、当時の高知の山や川の風習や生活が分かり、この人は、釣りが好きなんだなとつくづく思う。魚の大きさや数を拘って書いてなく、釣りを通じてあった人や自然を素朴に書いてある所が逆に釣り好きと感じてしまう。山本素石になんとなく雰囲気が近いです。2014/09/01
いちはじめ
1
森下雨村といえば、江戸川乱歩をデビューさせた「新青年」初代編集長。でもこの本はミステリとは無関係な釣りについて書いたエッセイ集。ちょっと意外だった2005/03/22
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