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平凡社ライブラリー
ウィトゲンシュタインのウィーン

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  • サイズ 文庫判/ページ数 510p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784582763867
  • NDC分類 134.9
  • Cコード C0310

内容説明

世紀末ウィーンの文化状況の中で結晶した「ある決定的な問題」とは?そしてそれは哲学者ウィトゲンシュタインの生涯に、いかに貫流したのか?英米分析哲学の文脈でとらえられがちなウィトゲンシュタインの哲学を、故郷ウィーンの文化史・思想史に定位させた、現代のマスターピース。

目次

第1章 序論―問題と方法
第2章 ハプスブルク朝ウィーン―逆説の都
第3章 言語と社会―カール・クラウスとウィーン最期の日々
第4章 文化と批判―社会批評と芸術表現の限界
第5章 言語、倫理および表現
第6章 『論考』再考―倫理の証文
第7章 人間ウィトゲンシュタインと第二の思想
第8章 専門家気質と文化―現代の自殺
第9章 補遺―孤立の言語

著者等紹介

トゥールミン,スティーヴン・E.[Toulmin,Stephen E.]
1922年生まれ、哲学者。ケンブリッジ大学でウィトゲンシュタインの教えを受ける。同大学で博士号取得。現在、南カリフォルニア大学教授。科学哲学、科学史、思想史などの著書多数

ジャニク,アラン・S.[Janik,Allan S.]
聖アンセルム大学、ヴィラノヴァ大学を経てブランダイス大学で博士号取得。ヴィラノヴァ大学時代にウィトゲンシュタインの著作に近づき、ショーペンハウアーとウィトゲンシュタインの比較をテーマに、修士論文を書く

藤村龍雄[フジムラタツオ]
1936年生まれ。哲学者。東京大学大学院博士課程修了。東京水産大学名誉教授。訳書に、『フレーゲ哲学論集』(岩波書店)、『フレーゲ著作集』(共訳、勁草書房)などがある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ステビア

26
ヴィトゲンシュタインは世紀末ヴィーンというコンテクストの中で最もよく理解される。彼は腐敗した帝国の中で人間性を取り戻そうとした一連の人々に連なっているのだ。2022/09/08

iwri

4
「論考」の6・4以降に一見突拍子もなく出現する、倫理や美に関する部分がヴィトゲンシュタインの問題の核心であり、それは当時のウィーンの文化的・社会的状況から来ることを歴史的資料などから導いていく。僕自身としては納得できる内容だったし、野矢さんの議論などを読んでいたので、それ自体はそれほどビックリするほどのものでもなかった。しかし、ヴィトゲンシュタインがキルケゴールを評価していた事は知っていたが、本書のパースペクティブから見ると、彼の議論に相当程度影響を与え、また近似的な関係があるというのは意外だった。2011/05/24

bull

2
世紀末のウィーン。ハプスブルグ朝の瓦解を目前としてブルジョア社会は爛熟し、様々な領域の知が花開いた。言論人は装飾的な生活様式の欺瞞・虚飾を暴き、建築家は装飾と機能、音楽家は楽想と音の論理、哲学者は表象と論理の間で葛藤した。ウィトゲンシュタインは先人の葛藤と知を引き受け、価値と事実を分離し、言語や論理の限界を定めてケリをつけ、哲学の現場から一度立ち去った。くぅ、厳格で禁欲的なのだ。なお、本書は放擲した『論理哲学論考』のよき手引きになりそうだ。2014/12/05

にかの

2
哲学者ウィトゲンシュタインについてウィーンという環境からの影響を考慮しつつ考察していくユニークな視点からの一冊です。とはいえ実際にはウィトゲンシュタインのみならず彼の前の時代、そして同時代の哲学者のことも含まれており、彼らがどのような影響を及ぼしたか、哲学の系統としての一連の流れで解説しているのでわかりやすくおもしろいです。とはいえ、哲学をテーマにしている以上、一般的な方々にはとっつきにくく難しいことに変りありません。サッと読み進めるのではなくじっくり考えながら読むといいでしょう。2012/09/08

iwasabi47

0
論理実証主義や分析哲学者としてではなく、ウィーン世紀末同世代人の視点で読むLW。ラッセルやウィーン学団が『論考』解釈に躓いたとLWと判断したのは背景となる問題意識が違う。第六章『論考』再考ではその原因の一因を『論考』に出るターム(独語「Bild画像」「addilden写す」をめぐる)翻訳の難しさの記述部分はこの本の白眉だと思う。この後のwwⅠ戦後独文化に関る本『シニカル理性批判』に出てくる批判的文化人比べると戦前ウィーン(カント的w)批判的文化人のほうが健全に感じれたのが以外。また色々掘ってみよう。2017/01/15

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