内容説明
彼らは、ヴィジョンを求め、孤独な旅に出る。苦行の果て、魔法の歌や祈りを持ち帰る。動植物や人間の尊厳を知るものだけがもつ深いやさしさにみちた歌―。これが彼らの歌=詩である。アメリカ現代詩が見出した“古典”、先住民族が伝えた口承文学の世界。
目次
アメリカ・インディアンの口承詩((青い夜がおりてくる)
嵐の歌 ほか)
魔法としての詩(夜の歌;(おれは恥ずかしい この大地の上で))
詩(魔法のことば;暦 ほか)
白人侵入後(おれの若者たちは働いてはいけない;冬の啓示 ほか)
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
テツ
17
ネイティブアメリカンの方々が培ってきた文化や世界観が好きなのでたまに読み返す。人間は自然に対して上位の存在ではない。下位に属するものでもない。全ては等しく生命の円環を成す構成物の一欠片に過ぎない。自分達も大いなる自然の、地球の一部だと信じることが出来たらどんなに心安らぐだろう。きっとそうした一体感の中からしか見えない何かがあるんだろう。現代社会に生きる僕達には死ぬまで感じることが出来ないものが彼らの詩からは滲み出ている。大切なのは逞しく美しく生を遂げること。忘れてはいけない。2017/02/18
うにこ。
2
対象にきちんと敬意を持った仕事ぶりが嬉しい本。1~3章で、彼らの詩の背景に広がる精神文化を、実際の詩を引用しながら紹介し、読み手に理解の下地を作った上で4章以降、多くの詩を紹介していく。文化人類学者ではない、文学者からの研究と評価ということで、よくアメリカ先住民と言って注目されがちなスピリチュアルな言葉ではなく、読んで楽しめる詩が選ばれているのも嬉しかった。2011/06/09
isutabi
0
野性が失われたような気がしたときに。
岡部淳太郎
0
やっぱりこういう「民族の言葉」はきちんと残していくべきだと思う。アイヌ民族しかり、アメリカ先住民族しかり。そういう意味では、こういう一見地味とも思える仕事をこなす訳者に敬意を表したい。2002/08/18
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