内容説明
道教は儒教とならんで、いな儒教にもまして、中国人の精神構造を知るための関鍵である。1950年における原著の出版は、欧米の学界に大きな刺激を与えた。道教とは何ぞや、という問いに対して、マスペロが出した明晰な解答は、その大すじにおいて、いまだ乗りこえられぬ不滅の価値をもちつづけている。
目次
1 中国六朝時代人の宗教信仰における道教(道士と不死の探究―肉体的な術;精神の術―内観・冥想・神秘的合一;道教の教会と信者の救済―制度と儀式)
2 詩人〓康と竹林七賢のつどい
3 西暦初頭数世紀の道教に関する研究(個人の宗教生活と不死の探究;道教教団と一般大衆の信仰;道教と、中国仏教のはじまり ほか)
4 老子と荘子における聖人と生の神秘的体験