内容説明
旧制高校時代から今日まで、加藤周一には同時代への強い関心が、絶えることなく息づいている。それは、日本および世界の政治から決して目を逸らさない態度につながり、歴史的かつ比較文化的に、日本人と日本社会の特徴を明らかにしたいという欲求になる。なぜなら、われわれを規定する条件を知ることが、「自由」であり続けるための第一歩だと考えるからにほかならない。日本の社会・文化を歴史的変化の相に捉えながら、インターナショナルな視野の下に展開される鋭い同時代批判。
目次
日本社会・文化の基本的特徴
日本文化の雑種性
近代日本の文明史的位置
日本人の外国観
日本人の死生観
戦争と文学とに関する断想
新しき星菫派に就いて
金槐集に就いて
天皇制を論ず
中立と安保条約と中国承認
言葉と戦争
ヴェトナム・戦争と平和
見るべき程のことは見つ
中国再訪
教科書検閲の病理
自由と・または・平等
現代の女の問題
「過去の克服」覚書
ヒロシマ・ナガサキ50年
「羊の歌」その後
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
呼戯人
11
戦後民主主義の精神を代表する大知識人のセレクション。多分石川淳の漢文崩しの散文に影響を受けた文章が美しい。論理は明晰で、半世紀前に書かれた文章でも2025年の今を同時代人として生きているかのような新鮮さを持っている。近代日本の文明史的位置に置いては、平和と人権、特に平和を中心にした価値を日本人のアイデンティティに推しだして、普遍的な文明史的価値を持つものとして意味づけしている。憲法9条に根拠を持つ平和を単に憲法の条文としてではなく、フランス革命における自由平等博愛に匹敵するものとみなしている。2025/01/30
盧 嘉林(Lu Jialin)
0
内容もさることながら 最後の方は 文章のうまさに魅せられて よんでいました。 時間あれば次は全集 よみたいなぁ2017/05/05
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