内容説明
1930年代の思想はファシズム、ナチズム一色であったのか。第一次世界大戦によって生鋭化した近代ヨーロッパ文明への危機意識は、社会と文化、そして「知」そのものへの問いへと向かった。ヨーロッパの危機と再生を、20世紀を代表する三人の哲学者が提起する。
目次
ヨーロッパ的人間性の危機と哲学
ドイツ的大学の自己主張
なぜわれらは田舎に留まるか?
社会の危機と科学の危機
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅん
19
フッサール、ハイデガー、ホルクハイマー。1930年代に強い危機感を持った3人のドイツ哲学者は、それぞれ全く違う立場から自らの時代に向き合う態度を表明していた。フッサールは西洋の理性に、ハイデガーはナチスの時代精神に、ホルクハイマーは科学と哲学との共生に活路を求めた。このベクトルの多様性は今の時代が持つ空気ともやはり重なると感じずにはいられないし、今彼らの思想を知ることが重要なのもそのためだ。それにしても、他二名の難解さに対してハイデガーの演説の分かりやすいこと。こんなストレートな民族主義を語っていたとは。2018/02/01
Ex libris 毒餃子
2
フッサールの『危機』の下地となった演説とハイデガーのNazi協力を示した有名な総長就任演説が読めます。知識人たちが当時のヨーロッパで感じた危機についての態度に知ることができます。2010/04/02
毒モナカジャンボ
1
日本にはギリシアがない。2021/05/10