内容説明
明治女学校に学び、「アンビシャス・ガール」と呼ばれた夢多き女性の自伝。新宿中村屋を創業、多くの芸術家と交友し、荻原碌山、中村彝、エロシェンコ、戸張孤雁らの姿をも生き生きと伝える。
目次
出郷
『女学雑誌』と『文学界』
明治女学校
国木田独歩と信子
一転機
印度志士ボース
続篇
静座十年
白系ロシヤの人々
発願
半生を顧みて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くーぴーめりー
1
夫とともに新宿で創業した「中村屋」で、パンの製造販売の傍ら、文化人の集うアトリエを主宰した、相馬黒光の半生記。 「中村屋サロン」には、彫刻家・荻原守衛やロシアの盲目詩人・エロシェンコなどの芸術家の名があります。 また、学生時代の教師陣には、北村透谷、島崎藤村、戸川秋骨、星野天知のような、学者や文学者の名も見られます。 明治期のひとりの女性のエッセイながら、当時の文化を垣間見ることのできる興味深い本です。 2015/07/21
1131you
0
激動を生きた女性で面白かった。佐々城信子の評価や俊子の結婚など多少引っかかる件はあったが、解説の「相馬黒光の限界」との指摘に腑に落ちた。先進的な女性にも理解が及ばない女それが佐々城信子。解説も込みでの名著。3か4か迷うところ2022/11/12
DEAN SAITO@1年100冊
0
1人の女性の回顧録とは思えないくらいエピソードが多彩。「あさが来た」と少し被るけど、朝ドラのヒロインにもなれそう。2018/10/21