内容説明
山を登る心、山を想う心を、詩情豊かに綴った多くの詩文を遺し、若くして戦時の南方に逝った著者。山男たちの心の拠り所として広く読まれてきた、山の画文集の傑作。
目次
雪原
谷間にて
洋燈
スキーを穿く
低山春雨
合歓の木
客心自酸楚
出発前
薬師の剣
雪の上で〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ressenti-man
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太平洋戦争で戦死した著者のエッセイ集らしいが、その時代にもアルピニズムに染まらず自分の山をしっかり持っていた様子が非常に興味深い。八甲田大岳を描いた絵葉書の「遂に我輩もシーハイルを叫んだことでした」とか、しみじみと良い。2014/09/03
yamakujira
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山を題材にした画文集。文章のはしばしに戦争を感じる時代の作品で、作者も30才をすぎて召集され、南方で戦死してしまう。「戦争は、才能のない者も、才能に溢れた者も、一様に容赦なくころしてしまう」と解説者は嘆くけれど、遺骨も戻らない本人の無念はどれほどだっただろう。 (★★★☆☆)2013/07/28