内容説明
生と死、芸能、あそび、殺生、病気、差別、知恵、多様なモチーフによって、日本中世を生きた人びとの心性を生き生きと描き出す民衆文化史、毎日出版文化賞受賞。
目次
1 的と胞衣―中世文化史研究への提言
2 『靭猿』という宇宙―狂言『靭猿』小考
3 歴史のなかの「あそび」
4 殺生の愉悦―謡曲『鵜飼』小考
5 「鎌」をめぐる連環―狂言・発心入道説話・常陸
6 夢と現の「小法師」たち―『病草紙』断想
7 説話と差別―中世生活文化史の立場から
8 尿乞う人びとと河原者のこと―民衆生活文化史料としての『天狗草紙』伝三井寺巻
9 触穢思想の中世―部落差別意識との関連において
10 庶民の知恵―中世教育史研究への提言