内容説明
頽唐爛熟の異教都市アレクサンドリアで繰り広げられる愛の饗宴。エロスの祭司がその学殖と詩藻のすべてを傾けた反時代的作品が練達の訳筆によって甦った。稀覯挿画16葉併載。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
41
「ビリチスの歌」の作者による小説。古代ギリシャ世界を舞台にしている点は共通しているが、詩と小説とでは、やはり感触が違うものだ。とはいえ、寓話的というか、象徴的というか、何らかの主義・主張を読み取るよりは、詳細に描かれた古代世界の臨場感や、現代と違った思考、あるいは時代に無関係な恋心、芸術や美しさをめぐる物語の、悲劇的な結末を味わう作品なのだろう。2018/04/16
龍國竣/リュウゴク
1
絶世の美女は男に無理難題を押し付ける。およそ手に入れることが不可能なものを献上しろというのだ。この筋は竹取物語を彷彿とさせる。しかし、本作では、男は言われた物を力づくで入手し、その上で逆に男の虜となった女を拒絶し、俗世に落とし、死に追いやる。2014/08/28
katka
0
四読目くらいだと思います。小説に珍しいことではありませんが、稀覯挿画という画と本文の内容がずれていて、場面より挿画の方がいつも10ページ程ずつ先になる。これは、絵と文がぴったりでは漫画のような印象になってしまうとか、先の展開を余示する等の編集意図があるのかわかりませんが、手許で本の頁をばらして読んでみる感想では本書はやはり場面と挿画は合っているほうが良いと思います。多分、普通の読者にとってはそんなことはまず問題にされないと思います。2024/07/10
-
- 和書
- ルーマニア語辞典