内容説明
シェイクスピアやラシーヌだけが巨匠なのではない。魔術的な作劇によって西洋演劇に絶大な影響を及ぼした知られざる大家の宗教劇と喜劇の代表作を収録する。表題作のほか『淑女(ドゥエンデ)』。本邦初訳。詳注、長文解説付。
目次
驚異の魔術師
淑女「ドゥエンデ」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gkmond
1
表題作はイマイチだった。淑女「ドゥエンデ」のほうはちょっとした倒叙ミステリーみたいで、こっちのほうが圧倒的に好みだった。ただタイトルの吸引力を考えるなら、そりゃ表題作のほうを使うわな。2024/12/23
迦陵頻之急
1
「驚異の魔術師」悪魔との契約を描いた、マーロウの「フォースタス博士」を思わせる作。元ネタは「黄金伝説」にも書かれた聖人説話で、実際ファウスト伝説の原型でもある由。こちらの主人公は地獄落ちせずに殉教。最後は機械仕掛けの神ならぬ悪魔が降臨、主人公とヒロインの昇天を告げて墜落。「淑女ドゥエンデ」勘違いと嫉妬と密室と隠し扉を扱った、一世紀後の「フィガロの結婚」みたいな喜劇。策略と擦れ違いと勘違いが重なった挙句、座敷童かポルターガイストみたいな、妖怪ドゥエンデの仕業と思い込んでしまう、結構見て面白そうな一作。2024/01/29
hsm
0
表題作のみ読了。2009/12/25
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